「第24回全国健康福祉祭ねんりんピック2011(ふれ愛)熊本大会ホームページ掲載記事より転載(許可済)」

火の巻:がんばる熊本人 サッカー「熊本オールドキッカーズ」 東矢徳男氏 より

生涯現役としてサッカーを楽しみたい

− 「KOK」の練習場、西合志市の「ルーテル学院グラウンド」におじゃましました。皆さんとっても動きが軽やかですね。
(東矢) KOKは今年で15周年を迎えますが、現在54人の会員がいます。練習は毎週1回行ってますが、北九州から毎回、来られている方もおられます。
皆さん、現役時代は仕事一途の人生を送り、でもサッカーへの想いが忘れられず、今は白球一途の人生を楽しまれてる方々ばかりです。
全くサッカーの経験が無い方もおられますが、とにかくサッカーが好きで好きでたまらない、という方たちの集まりなんですよ。
− 「KOK」のモットーは?
(東矢) 「生涯現役として健康でサッカーを楽しむこと」をモットーに活動しています。

「サッカーが好き!」が唯一の入会条件

− 「KOK」はどんなふうに生まれたんですか?
(東矢) 「KOK」は15年前に、緒方健司大先輩※の発案で、「生涯現役として健康でサッカーを楽しむこと」を基本に設立されました。 発足時の会員のほとんどは「西日本サッカーOB連盟」の熊本クラブ会員として活動されていた方々です 。同連盟は、60歳以上のサッカー組織としては全国でも最も古く立ち上げられた組織で、中部、関西、中四国、九州の各ブロックで構成されています。 「勝敗よりもサッカーを楽しむ」ことを第一の目的としており、「高齢者には、高齢者らしいゲームの進め方、ゲームにのぞむ姿勢、ルールが必要だ」という考え方で活動しています。 KOKは「西日本サッカーOB連盟」のそういうコンセプトを受け継ぐ形で、熊本での高齢者のサッカーを普及拡大することを目的に設立されたんです。
− KOKにはどうしたら入会できるんですか?
(東矢) 「サッカーが好き!」、条件はこれだけです。
− 誰でも入れるんですね!でも試合ではやはり経験豊富な人しかメンバーになれないんじゃないですか?
(東矢) KOKの会員にはいろんな方がおられます。足が速い人もいれば、心臓にペースメーカーを埋めている方もおられるんです。
しかしKOKでは、「足が遅い」「技術がない」などの理由で、試合に出られないということはありません。 昔、足を怪我して今でもほとんど走ることができなくても、試合では見事なパス回しで戦力になっていただいてる方もいます。 皆さんそれぞれ得意な分野がありますし、「自分が何を求められているか」「自分の技量で何をしたらチームの役に立つことができるか」 ということを、ピッチの上で常に考えながらプレーしていただいてますので、頼もしい限りですよ。
サッカーは11人が一体となりプレーするスポーツです。たとえ1人が失敗しても、残りの10人でカバーできる。 少々失敗が重なったところで、皆で必死に守りを固めたらそう簡単に点は入りません。 お互いにフォローし合い、持ちこたえていくチームプレーの面白さ、醍醐味がサッカーにはあるんですね。

「KOK」が心の拠(よ)りどころに

(東矢) KOKでは毎年、夏と3月の総会では懇親会を開いてますが、会員の個性を引き出すために、日頃から会員間の親睦にも力を入れてます。 気心が知れてくるとプレーでも声がかけやすくなってきますからね。
KOKに入った時はみな新入生。全く新しい世界、これまでの「しがらみ」も何も無い世界が始まるんです。 サッカーが好きという共通項があるだけで、1人の人間としてまっさらの気持ちで触れ合える関係なんです。 あるのは「個々の会員を1人の人間として尊重し、仲間として受け入れ、支え合う気持ち」だけです。
− 皆さん、子どものようにガムシャラになってる。本当にサッカーが好きなんですね。
(東矢) それ以上に、仲間に会うのが楽しいんですね。みんなも「おおっ、来たか!」と出迎えてくれる。 同じ時間を共有する仲間がいて、自分もみんなの役に立っている。KOKが、そういう心の拠(よ)りどころになっているんだと思います。

ねんりんピックは全国のチームと交流できるチャンス

− 来年は「ねんりんピック2011熊本」が開かれますね。
(東矢) 高齢者とはいえ、各県を代表するチームが戦う訳ですから、ハイレベルの試合が続くんじゃないかと思いますね。 開催県ということで、当然勝負には例年にないほど執念を燃やしておりますが、例えば「九州」と「北海道」のチームなどは、日頃から交流する機会がなかなか無いんですよ。 日本サッカー協会が主催する大会でも、東京以西のチームが中心なので、全国の選手が交流する機会はほとんど無いんです。 34、5年前から「西日本サッカーOB連盟」に加盟するチームが、各地域の持ち回りで「全域大会」というのを毎年開催しているんですが、 九州内でも単独ではチームができないところもあり、70歳以上で「ロイヤルクラス」というクラスを設けて、混成チームで参加して頂いてるんです。
ねんりんピックは全国の方が一同に会する大会ですので、勝負にはこだわりながらも、試合を離れたら同じサッカーを愛するもの同士、 心ゆくまで交流を深めたいですね。
− 最後に、KOKの目標について教えて下さい。
(東矢) 今や高齢者にとってスポーツは生きがいになっています。「KOK」のメンバーも、練習を離れてもサッカーのことが頭から離れない。 次の練習に備えて体調管理する。サッカーを中心に考えて生活を組み立ててるんです。 これは最善の状態で練習に参加して、仲間とサッカーを楽しみたいという一念からなんですよ。
「KOK」としても、前会長からの申し伝えでもある「長幼の序(ちょうようのじょ)」※の精神で、サッカーの発展に尽くしたい。 チームとしての「和」を尊ぶ精神をより浸透させて、そしてさらに地域との交流にも「KOK」の力を注いでいければと考えています。
将来的には、県北、県南、熊本市内など地域ごとにチームを編成し、 リーグ戦形式でもっと多くの高齢者の皆さんが楽しめる大会が開催できれば、素晴らしいですね。


※緒方健司氏…済々黌OBで元熊本県サッカー協会理事長。 昭和49年12月に発足した「西日本OBサッカー連盟」で初代副理事長、第4代会長を歴任。「KOK」発足に尽力。

※長幼の序…年長者を敬うこと、年長者と年少者の間にある守るべき秩序関係のことだよ。

「熊本オールドキッカーズ」プロフィール
『生涯現役としてサッカーを楽しむこと』を基本に平成7年に設立。 「西日本OBサッカー連盟」主催の各大会や日本及び九州サッカー協会主催のシニア大会、「シニア北海道ツアーサッカーフェスティバル」など 数々の大会に出場。「全国スポレク福井大会」をはじめ、「ねんりんピック」でも「大阪大会」「広島大会」「福島大会」「群馬大会」 「鹿児島大会」など多数の出場実績を誇る。 夏休みの時期には「熊本聾(ろう)学校」の生徒との交流試合を行うなど、 地域との交流活動にも積極的に力を注いでいる。

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