視野を広くする4つのスキル −第118号−

技術レベル:★★★☆☆
もちろん、緊張などによってメンタル面に異常が出れば、視野は狭くなってしまいます。
ですので、過緊張しないためのメンタルコントロールも視野を広くする要素のひとつと言えるでしょう。
また、技術が高ければ、それだけ余裕を持ってプレーできます。
ですので、技術を高めることも視野を広くする要素のひとつと言えるでしょう。
ただし今回は、メンタル面や技術面について、詳しく取り上げることはしません。
今回はあくまで、視野を広くするためのスキル面について考えていきたいと思います。
私が考える視野を広くするスキルは4つあります。それでは、1つずつ見ていきましょう。
【1.首を振る】
人間の目は、最大180度の範囲を見ることができます。
つまり、残りの180度は死角になるということです。
この死角を補うために、首を振って確認するわけです。
ただし、このスキルは、あまり効率が良いとは言えません。
なぜなら、首を振って確認した部分は、首を元に戻せば、また死角になってしまうからです。
試合中は常に状況が変化するため、首を振って確認した次の瞬間には、別の状況になっていることもあり得ます。
このスキルは、パスを受ける直前の確認には適していますが、このスキルだけで情報収集しようとしても、思うようにいかないでしょう。
情報収集力をアップさせるには、本スキルとこれから紹介するスキルを組み合わせる必要があります。
【2.ポジショニングの工夫】
ポジショニングを工夫することで、見える範囲が広がることがあります。
「ポジショニング」と言っても難しく考える必要はなく、今いる位置から2〜3歩後ろに下がるか、外に広がるだけです。
つまり、相手ゴールから少し遠ざかる位置に移動するわけです。
移動する時は、バックステップやサイドステップを使い、視野を確保しながら移動しましょう。
たった2〜3歩ですが、サッカー・フットサルの世界では、これだけで見える範囲がかなり広がります。
また、相手ゴールから遠ざかることで、相手のプレッシャーが減り、前を向いた良い状態でパスを受けられるというメリットもあります。
せわしなく首を振って周りの状況を確認する前に、2〜3歩下がって(広がって)みてください。
実は、それだけで解決できることかもしれませんよ。
【3.スピードの工夫】
視野の広いプレーヤーには、「プレーに余裕が感じられる」という共通の特徴があります。
プレーが優雅で、あまり一生懸命走り回っているという印象を受けません。
これに対し、視野の狭いプレーヤーは常にドタバタしています。
プレーに一生懸命さは感じるのですが、余裕が感じられません。
実は、この違いに視野を広くするヒントがあります。
それは、走るスピードを調整することです。
人間は、走るスピードが上がるほど視野が狭くなります。
視野の狭いプレーヤーは、一生懸命走り回ることで、自分の視野を狭めてしまっているのです。
これに対し視野の広いプレーヤーは、ボールを持っていない時は、広い視野を保てるようゆっくりと移動しています。
この時、バックステップやサイドステップを使い、視野を確保する工夫もしています。
そして、パスを受ける瞬間だけ、自分のマーカーを引き離すためにスピードアップするのです。
サッカー・フットサルは、一生懸命走り回ることが、必ずしも有効なプレーにつながるとは限りません。
少し余裕を持ってプレーするくらいの意識がちょうど良いのかもしれませんね。
【4.間接視野】
4つ目のスキルは、間接視野でボールを扱うことです。
ボールを扱う時、ボールだけに意識が集中してしまえば、その間、周りの状況が分からなくなってしまいます。
これに対し、間接視野を使ってボールに向ける意識を減らせば、その分だけ周りの状況把握に意識を向けることができます。
「間接視野でボールを扱う」というと、ドリブルを思い浮かべる人が多いのではないでしょうか。
もちろんドリブルをする時も、間接視野でボールを扱えなければなりません。
しかし、ここでの間接視野とは、ドリブルだけでなく、全てのプレーでのことを指しています。
特に、トラップを間接視野で行えるようになると、相手からプレッシャーをかけられた時でも、落ち着いてボールをコントロールすることができます。
ただし、間接視野でトラップできるようになるには、高い技術力が必要なことは言うまでもありません。
ここまで、視野を広くする4つのスキルについて見てきました。
実際の試合では、これらのスキルを単独で使うことは、ほとんどありません。
複数のスキルを組み合わせて広い視野を確保するのです。
とは言っても、初心者がいきなり4つのスキルを使いこなすのは、まず無理だと思います。
実戦練習などで、ひとつずつ試しながら身に付けていってください。
上達には、「自分で考え、実践する」ことが不可欠!!
この情報を、自分で考える上でのヒントにしていただければ幸いです(^−^)
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