ドリブルを使う際、意識してはいけない事とは? −第126号−

技術レベル:★★☆☆☆
「意識しなくても、できなければならない事」というのは、主に技術に関する事になります。
【ボールタッチ】
まずボールタッチに関してですが、試合中、「どこでボールタッチするか?」ということを意識しながらドリブルしているトッププレーヤーはいません。
そんな事を意識していては、試合でドリブルを使うことはできなくなってしまいます。
「ボールタッチを意識しなければドリブルできない」という人は、意識しなくても状況に応じたボールタッチができるよう練習し、技術を定着させる必要があります。
技術を定着させる練習法には、「ドリル」が有効です。
例えば、次のような練習があります。
・マーカーを5〜6つほど並べて、その間をジグザグにドリブルする練習
・マーカーを2つ並べて、8の字にドリブルする練習
これらの練習は、次のようなことに注意して行ってください。
1.色々な部分を使ってドリブルする。
2.ボールを直視せず、周辺視野を使ってドリブルする。
また、以前は、こういった練習は「スピードよりも正確性が大切」と言われ、ミスをしないスピードで行われていましたが、現在は「トップスピードで行うこと」がトレンドのようです。
私も、実戦に役立てるための練習という意味では、現在のトレンドに賛成です。
ただし、まったくの初心者は、いきなりトップスピードではできませんから、最初はゆっくり行い、徐々にスピードアップしていきましょう。
【相手の体勢】
1対1の場面でドリブルを仕掛ける場合、フェイントやスピードの緩急で、相手の体勢を崩す必要があります。
そのためには、ドリブルしながら「相手の体勢がどうなっているのか」を把握しなければなりません。
すると、ドリブルで相手を抜く一連の流れは、次のようになると考えがちです。
<相手の体勢を観察する → どう動くか考える → 実際にアクションを起こす>
そして、「じゃあ、まず相手の体勢をよく観察しなきゃ」という結論に達します。
しかし、実際の流れは全く違います。
「試合中、ドリブルできれいに相手を抜けた」という経験がある人は、その場面を思い返してみてください。
その時、あなたの体はどんな風に動きましたか?
おそらく、「無意識に体が動いた」のではないでしょうか?
そうなんです。ドリブルで相手を抜ける時というのは、無意識に体が動く時なんです。
「相手の体勢がこうだから、こう抜いていこう」などと、いちいち考えてはいないのです。
こう聞くと、「じゃあ、ドリブル突破というのは運次第ということですか?」と疑問に思う人もいることでしょう。
ドリブル突破は、運ではありません。実力です。
「ドリブラー」と呼ばれるドリブルの得意なプレーヤーがいます。
彼らは、相手の体勢を意識して観察しているわけではありません。
彼らは、相手の体勢を把握するために、相手の体勢を「見ている」のではなく、「感じている」のです。
つまり、ドリブラーは、相手の体勢を把握する感覚が優れているのです。
こういった感覚は、対人練習を数多く繰り返すことで身に付けることができます。
対人練習の代表的なものが、1対1です。
「1対1は、ドリブルしか選択肢がないので、判断力が身に付かない」という意見もありますが、私は非常に効果的な練習だと考えています。
ドリブルしか選択肢がないため、嫌でも目の前の相手を抜くしかありません。
相手もパスを気にせず、抜かれないこと、ボールを奪うことだけを考えればいいので、積極的な守備をしてきます。
その結果、対人動作に欠かせない要素を身に付けることができます。
例えば、次のような要素です。
・相手の体勢を感じる能力
・ボールを取られない間合い
・フェイントを仕掛ける間合い
・ドリブルの緩急
・ボールキープのための身体の使い方 など
もちろん、試合中は、「目の前の相手だけ気にしていればいい」という訳にはいきません。
しかし、練習の目的を認識した上で行えば、非常に良い練習になるはずです。
今回は、試合でドリブルを使う際、「意識しなくても、できなければならない事」についてお送りしました。
主に技術に関する事になるので、練習すれば、誰でもある程度のレベルまでは身に付きます。
次回は、「意識するべき事」についてお送りしたいと思います。
上達には、「自分で考え、実践する」ことが不可欠!!
この情報を、自分で考える上でのヒントにしていただければ幸いです(^−^)
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