状況判断を高めるための4つのポイント(前編) −第131号−

技術レベル:★★★☆☆
今回は、「状況判断を高めるための4つのポイント」というテーマで解説していこうと思います。
今週は、その前編をお送りします。
【1.プレーイメージは、個人の能力に起因する】
まず、プレーイメージの大前提として、「プレーイメージは、個人の能力に起因する」ということを覚えておいてください。
個人の能力とは、「技術」、「フィジカル」、「経験」の3要素から成ります。
例えば、ゴール前でボールを持ち、目の前に3人のDFがいる状況をイメージしてください。
あなたなら、どんなプレーを選択しますか?
私なら、自分でシュートに行くことはあきらめて、空いている味方にパスをするでしょう。
しかし、メッシ選手が同じ状況になったら、どうでしょうか?
おそらく、自分でドリブル突破してシュートというプレーを選択をするのではないかと思います。
この判断の違いは、私とメッシ選手の能力の違いから来ています。
ドリブル能力の高いメッシ選手には、私には見えないドリブルコースが見えるのです。
また、混戦状態になっているサイドでボールを持った場合、あなたなら、どんなプレーを選択しますか?
私なら、バックパスでDFラインに戻し、一旦ボールを落ち着かせるでしょう。
しかし、ベッカム選手が同じ状況になったら、どうでしょうか?
おそらく、一発のサイドチェンジで状況を打開するというプレーを選択するのではないかと思います。
この判断の違いも、私とベッカム選手の能力の違いから来ています。
キック能力の高いベッカム選手には、私には見えないパスコースが見えるのです。
このように、能力が高いほど、難しい状況でも、そこを打開するプレーイメージを持つことができます。
能力が低ければ、私のように無難なプレーしかできません。
後で考えれば、「その状況を打開する選択肢もあったな」と思い付くのですが、とっさには浮かばないのです。
これは、個人の感覚的な部分が大きいのですが、能力が高いほど、レベルの高いプレーイメージが自然と浮かんでくるものなのです。
つまり、個人の能力を高めることが、良い判断、レベルの高い判断をする下地になるのです。
【2.大まかなプレーイメージを持つ】
「次のプレーイメージを持つ」と言っても、「全てを詳細にイメージしなければならない」というわけではありません。
あなたが超能力者でない限り、これから起こることを、全て詳細に予測することなど不可能でしょう。
ですので、ボールを持っていない時に考えるイメージは、大まかなものでOKです。
どれくらい大まかかと言うと、あくまで私の見解ですが、「今、あなたがやるべきこと」と「そのための手段」が分かっていればOKだと思います。
「今、あなたがやるべきこと」は、次の3点を基に考えます。
1.戦況(点差、残り時間、チームの力関係・・・など)
2.あなたのポジション
3.今あなたがいるフィールドの位置
例えば、「1点リードされている状態で残り時間が5分、あなたはセンターバックで最終ラインにいる」という状況だったとします。
この状況で、「今、あなたがやるべきこと」は、「早く相手ゴール前にボールを運び、攻撃のチャンス一度でも増やすこと」だと思います。
そして、「そのための手段」は、いくつか考えられます。
例えば、
・ロングボールを相手ゴール前に放り込み、パワープレーを仕掛ける。
・相手が奪いに来なければ、ドリブルでボールを前線へ運び、より高い位置から攻撃を始められるようにする。
・パス能力の高い味方にボールを集め、得点の確率を上げる。
どの手段を使うかは、実際にパスを受けた時の状況に応じて判断します。
また、「1点リードしている状態で残り時間が5分、あたなはセンターバックで最終ラインにいる」という状況だったら、どうでしょうか?
先ほどの状況とは、点差、つまり「戦況」が異なります。
この状況で、「今、あなたのやるべきこと」は、「マイボールの時間を多くし、相手の攻撃の機会を減らすこと」だと思います。
そして、「そのための手段」は、いくつか考えられます。
例えば、
・DFラインでパスを回して時間を稼ぐ。
・相手が奪いに来なければ、自分の所でボールキープして時間を稼ぐ。
・相手が前線からプレスに来たら、相手DFラインの裏へロングボールを蹴り、相手DFと味方FWを競らせて時間を稼ぐ。
どの手段を使うかは、実際にパスを受けた時の状況に応じて判断します。
このように、「今、あなたがやるべきこと」は、
1.戦況(点差、残り時間、チームの力関係・・・など)
2.あなたのポジション
3.今あなたがいるフィールドの位置
によって変わるため、試合中は、常にこのような視点で状況の変化を見ておくことが大切です。
また、「そのための手段」は、先ほども述べたように、プレーヤーの能力に起因します。
能力が高いほど、より効果的で、より多くの手段を考え出すことができるのです。
というわけで、今週はここまで。
続編は次回のメルマガにてお送りします。
状況判断をテーマに書く時は、いつもボリュームが大きくなってしまいます(汗)
来週をお楽しみに!
上達には、「自分で考え、実践する」ことが不可欠!!
この情報を、自分で考える上でのヒントにしていただければ幸いです(^−^)
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