相手を背負うプレーのコツ −第135号−

技術レベル:★★★☆☆
読者の方から、ポストプレーに関する質問をいただきました。
今回は、こちらの質問について考えていきたいと思います。
<ファーディナンドさんからの質問>
FWを最近やっていてワントップでポストプレーをする役目なんですがダイレクトでボールを落とせません。
どうやったら速いボールでもダイレクトで落とせるんですか??
一ヶ月前までセンターバックだったんで背負う状態が苦手なんです。
相手を背負う状況があまりなかったからかなぁと思ってます。
・・・・・・
ファーディナンドさん、ありがとうござます。
ポストプレーの方法は、大きく2つに分かれます。
1.定位置でドッシリと構える方法
2.スペースにタイミングよく入る方法
では、1つずつ見ていきましょう。
【1.定位置でドッシリと構える方法】
いわゆる典型的なポストプレーです。
この方法を取るには、ある程度の体の大きさが必要になります。
(162cmの私にはできないプレーです(涙))
体の大きさを活かして、相手DFを押さえつけることができるので、あまり動かず定位置でボールを待つポストプレーが可能になるのです。
このようなポストプレーヤーは、味方にとってターゲットマンとなります。
このようなプレーヤーが一人いると、「ボールを持ったら、まずターゲットマンにボールを入れて攻撃の起点にする」というチームの共通意識を作りやすくなります。
その反面、相手にとっても、攻撃の意図が読みやすく、対応策を練りやすいという欠点もあります。
良くも悪くも「分かりやすい」のが特徴です。
現在、このような典型的なポストプレーヤーは、プロの世界では、あまり見られません。
そのため、良い見本を探すのが難しいのです。
(少し前までは、オーストラリア代表にマーク・ビドゥカ選手という良い見本がいましたが・・・)
これは、チーム全体で流動的に動くという、現代サッカーのトレンドが反映されているためだと思われます。
しかし、アマチュアレベルでは、強力な武器になるため、このようなプレーヤーを目指す価値は十分にあります。
【2.スペースにタイミングよく入る方法】
体の小さいプレーヤーは、相手を押さえつけようとしても、すぐにつぶされてしまいます。
しかし、ボールを受けるスペースを空けておき、タイミング良くそのスペースに入れば、相手DFを押さえつけて定位置を確保する必要がなくなります。
この方法を使えば、体の小さいプレーヤーでも、ポストプレーをすることが可能になるのです。
この方法で相手を背負うコツは、「相手の進路に入り、相手をブロックすることを第一に考える」です。
このような場面では、相手より早くボールに触ろうと、ボールに集中してしまいがちです。
しかし、ボールに集中してしまうと、相手との競り合いがおろそかになり、ボールに触れても、相手に当たられれば、バランスを崩してしまいます。
そうならないために、まず相手をブロックし、体勢を落ち着けてから、ボールコントロールに入ります。
相手を背負った状態で、ダイレクトパスをするにも、トラップするにも、自分の体勢が崩れていては、正確なプレーはできません。
まず、相手をブロックし、体勢を落ち着けてから、次のプレーに移ることが、相手を背負うプレーのコツです。
<競り合いのスキルを身に付ける練習法>
「相手をブロックしてから、ボールコントロールする」というスキルは、ポストプレー時だけでなく、ルーズボールの競り合い時にも使えるスキルです。
試合の多くの場面で役立つため、このスキルを身に付ける練習法を紹介しておきましょう。
1.2人1組になり、直径1m程の円を地面に書き、その中にボールを1つ置く。
2.2人がボールをはさんで正対するように、ボールから同じ距離だけ離れる。(距離は任意)
3.合図で2人同時にボールめがけてスタートする。
4.早くボールに触った方が、相手をブロックしてボールキープする。
  ボールを円から出さず、足裏で3秒間踏み続けたら勝ち。
5.ボールに触れなかった方は、3秒経つ前に、ボールをつついて円から出せば、引き分けとなる。
「ビーチフラッグ」をイメージすると、分かりやすいと思います。
この練習では、円からボールを出してはいけないので、「ボールを触るより先に、相手をブロックすること」がポイントになります。
繰り返して行うことで、競り合い時に、相手をブロックしてからボールコントロールする感覚が身に付くと思います。
応用編として、定位置からのスタートではなく、イス取りゲームのように、ボールの周りを回り、合図でスタートする方法もあります。
こうすると、相手との位置関係が、その時々で変わるため、より実戦的になるでしょう。
ぜひ、お試しあれ。
上達には、「自分で考え、実践する」ことが不可欠!!
この情報を、自分で考える上でのヒントにしていただければ幸いです(^−^)
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