ラウールのようなポジショニング能力を身に付けるには? −第138号−

技術レベル:★★★★☆
今回は、シャルケさんの質問について考えてみましょう。
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先日のシャルケvsインテルの試合をみたのですが、ラウールのポジショニング能力すごいですよね(゚o゚;
どういう練習をすればポジショニング能力を高められますか??
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元スペイン代表のラウール・ゴンサレス選手。
かつて「スペインの至宝」と呼ばれたプレーヤーであり、ベテランとなった今でも、技術と動きの質の高さで、ゴールを量産しています。
現役のFWの中で、私が最も好きなプレーヤーです。
シャルケさんのご指摘のように、ラウール選手のポジショニング能力は、素晴らしいものがあります。
どうすれば、あのような質の高い動きができるのでしょうか?
ポイントは、「考え方」にあると思います。
おそらく、ラウール選手がパスを受けるために走り出す時には、頭の中では、すでにシュートのイメージが作られているのだと思います。
周りの状況(パスの出し手の状態、ゴールの位置、相手のポジショニング、味方のポジショニングなど)を見て、次のようにイメージします。
どんなシュートを打つのか?
    ↓
そのためには、どこでパスを受ければいいか?
    ↓
そのためには、どうやってパスを受けるポイントに入ればいいか?
このように、シュートを前提として動き出しているため、パスを受けるまでの一連の動きが、全て効果的な動きになっているのです。
元日本代表FWの城彰二さんは、この考え方を「ゴールからの逆算」と呼んでいます。
【城彰二】ゴールからの逆算
ゴールを量産できるプレーヤーは、この考え方が身に付いているのだと思います。
では、具体的に、センタリングをニアで合わせるケースで考えてみましょう。
まず周りの状況を見て、ゴール前のスペースを探します。
    ↓
どのポイントで(ニアのどの位置で?)、どんなシュートを打つか(ダイレクトか?ワントラップか?、頭か?足か?)を考えます。
    ↓
例えば、ダイレクトでヘディングシュートのイメージを作ります。
    ↓
周りの状況を見て、イメージ通りのプレーをするには、どんなタイミングでポイントに入ればいいか?をイメージします。
    ↓
イメージした一連のプレーを実行に移します。
ラウール選手のようなトッププレーヤーは、おそらく、このプロセスを無意識に、しかも一瞬の内に行っているのだと思います。
ゴール前の情報を、脳がものすごいスピードで処理し、一瞬でどこへ走り込み、どんなシュートを打つか?というイメージを作り上げるのでしょう。
ここまで行えば、あとはイメージ通りのボールが来るかどうか?です。
これは、パサーの技術と意思疎通の問題となります。
「ゴールからの逆算」の考え方で、重要になってくるのが、プレーイメージの種類です。
ある状況で、シュートのプレーイメージが1つしか作れないプレーヤーと、3つ作れるプレーヤーとでは、どちらがゴールを決める確率が高いでしょうか?
プレーイメージがヘディングしかなければ、相手DFは、ヘディングへの対応策を考えるだけで済みます。
しかし、ヘディング、ボレーシュート、ドリブルシュートという3つのプレーイメージがあれば、相手DFは、3つの対応策を考えなければなりません。
つまり、プレーイメージの種類が多いほど、ゴールを決める確率が高くなるのです。
では、プレーイメージの種類を増やすには、どうすればいいのでしょうか?
これには、2つの方法があります。
【1.能力を高める】
プレーイメージというのは、そのプレーヤーの能力(技術、フィジカル)以上のものは、思いつきません。
例えば、左足が蹴れないプレーヤーは、左足を使うプレーイメージは思いつきません。
足の遅いプレーヤーは、スピードドリブルで相手を振り切るというプレーイメージは思いつきません。
逆に、能力が高いほど、思いつくプレーイメージの種類は増えます。
つまり、能力を高めることが、プレーイメージの種類を増やす方法の1つなのです。
【2.個人戦術を高める】
いくら能力が高くても、その使い方を知らなければ、宝の持ち腐れです。
この「能力の使い方」のことを「個人戦術」と呼びます。
個人戦術を高めるには、本やDVDなどで勉強することが1つの方法です。
同じ走るという動作でも、妨害のない短距離走と、相手と競り合うサッカー・フットサルでは、有効な走り方は違います。
本やDVDでは、サッカー・フットサルにとって有効な動き方の基礎を学ぶことができます。
また、他人のプレーを見ることも、個人戦術を高める有効な方法です。
こちらは、本やDVDの基本を学ぶ方法に対して、応用を学ぶ方法になります。
人間一人が思いつくアイディアなんてものは、たかが知れています。
他人のプレーを見て、自分では思いつかないようなアイディアにたくさん触れることで、プレーの幅が広がっていくのです。
FWであれば、ゴール集などは、ゴール前でのアイディアを増やすための良い教材になると思います。
ラウール選手のようなポジショニング能力を身に付けるには、まず「ゴールからの逆算」という考え方を習慣化する必要があります。
「習慣化」とは、試合中、意識しなくてもできるレベルまで高めることを言います。
それと同時に、ラウール選手のプレーを見て、1つ1つの動きにどんな意味があるのかを考えてみてください。
もちろん、シャルケさんとラウール選手の能力は異なりますから、全く同じプレーを目指すのは得策ではありませんが、プレーの幅を広げる参考にはなると思います。
そして、実践と試行錯誤を繰り返し、自分なりのポジショニングを開発していってください。
上達には、「自分で考え、実践する」ことが不可欠!!
この情報を、自分で考える上でのヒントにしていただければ幸いです(^−^)
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