鎖国状態になるな!(1) −第147号−

技術レベル:★★★☆☆
このメルマガの読者は、試合の有無に関わらず、週1回以上はプレーする意欲的な人が多いと思います。
所属チームの練習に参加する人もいれば、一人練習に励む人もいるでしょう。
しかし、所属チーム以外の練習や試合に参加する人となると、その数はグッと少なくなると思います。
社会人のサッカー・フットサルは、チームの枠を越えてプレーをすることが容易です。
所属チームではないチームの練習や練習試合でプレーすることも可能です。
チームによって、サッカー・フットサルのレベルは異なります。
つまり、色々なチームでプレーする事で、色々なレベルのサッカー・フットサルを経験できるのです。
これは、部活動にはない社会人サッカー・フットサルの特徴です。
実は、これは、上達するために非常に有効な特徴なのです。
今回は、『所属チームよりもレベルの高いチームでプレーするケース』について考えてみたいと思います。
【実力者ほどオススメ!】
もし、あなたが所属チームの中心選手であるならば、このケースをお勧めします。
中心選手であるということは、あなたは、チーム内では屈指の実力者だと思います。
監督がいるようなチームでなければ、周りから注意されることも少ないでしょう。
それは、あなたにとっては、自由に、のびのびとプレーできる環境かもしれません。
しかし、あなたの成長という視点で考えると、決して恵まれた環境とは言えないのです。
人間は、どうしても楽をしたがります。
今のレベルで十分通用するのであれば、自分のプレーに磨きをかけるための工夫を怠ります。
工夫を怠ると、プレーのレベルはどんどん低下していきます。
しかし、自分では、プレーのレベルが低下していることに、なかなか気付くことができません。
そして、気付いた時には、チームメイトに追い付かれているという事態に・・・。
レベルの高いチームでプレーする事は、このような事態を避け、自分自身を成長させるために有効な方法なのです。
【メリット】
このケースのメリットは、自分の限界値を引き上げることができる事です。
マラソンには、高地トレーニングというトレーニング法があります。
酸素濃度の低い高地で走りこむことで、心肺機能に負荷をかけるのです。
酸素濃度の低い状態に体が慣れると、以前よりも少ない酸素で走ることができるようになります。
その状態で平地に戻り、タイムをアップさせるというトレーニングです。
所属チームよりもレベルの高いチームでプレーする事は、この高地トレーニングと同じような効果があります。
レベルの高い環境でプレーすると、普段よりも厳しいプレッシャーにさらされます。
そのため、より正確な技術、より早い判断、より高いフィジカルレベルが必要になってきます。
このような環境でプレーし、活躍しようとすることで、自分の限界値が上がっていくのです。
(ただプレーすれば良いという事ではありませんよ。「活躍するための努力」が必要です)
レベルの高い環境でプレーすると、自分の通用する部分と通用しない部分が浮き彫りになります。
そして、このような環境に適応するには、方法は2つしかありません。
<1.自分の強みを磨く>
自分の通用する部分に磨きをかけ、さらに強みを発揮できる場面を増やす方法を考えます。
例えば、ドリブルが強みなら、ドリブルの技術を磨きをかけると共に、次のような個人戦術面についても考える必要があります。
・いかにして、1対1でボールをもらえる状況を増やすか?
・いかにして、有利な状態でボールを受けられるようにするか?
・いかにして、「ドリブルか、パスか」の判断を早くするか?
チームの中心選手は、所属チームの中だけでプレーしている時は、こんな事をわざわざ考える必要がありません。
考えなくても、十分通用してしまうからです。
しかし、レベルの高い環境で活躍するためには、今まで以上に自分の強みを発揮する必要があります。
そのための工夫をすることで、あなたの武器はさらに鋭さを増します。
そして、それは、所属チームに戻った時、チームにとって大きなプラスになるでしょう。
<2.自分の弱みを克服する>
自分の通用しない部分を克服するための練習を行います。
苦手なことは、どうしても敬遠しがちになります。
監督やコーチがいて、その部分を矯正してくれるような環境ならいいのですが、社会人チームでは、そういった環境に恵まれたチームは稀です。
さらに、チームの中心選手であれば、わざわざ苦手な事を克服しなくても通用してしまいます。
「苦手な事は、苦手なまま済ませてしまう」
監督やコーチがいないようなチームの中心選手には、これがまかり通ってしまうのです。
しかし、レベルの高い環境で活躍しようと思えば、そうは言っていられません。
苦手な事を苦手なままにしておけば、周りに迷惑がかかってしまいます。
それを避けるには、苦手なことを克服しなければならないのです。
所属チームでは、あなたの苦手な部分は、あなたの知らないところで、チームメイトがカバーしてくれています。
あなたが苦手なことを克服することで、チームメイトにかかる負担を減らし、チームにプラスの効果をもたらすのです。
【デメリット】
ただし、このケースでは、デメリットもあります。
それは、レベルの高い環境について行けず、自信喪失してしまうことです。
周りのレベルが高くなれば、あなたに対する要求も高くなります。
パスの判断が遅ければ、「早く出せ!」と注意されます。
攻守の切り替えが遅ければ、「早く戻れ!」と注意されます。
チームの中心選手は、所属チームでは、周りから注意されることもなく、のびのびとプレーできます。
そのため、周りから注意されることに慣れていないことが多いのです。
少し注意されただけでヘコんで、「もう、あそこの練習には行きたくない」と言う人も見たことがあります。
普段慣れていないレベルでプレーするのですから、初めから上手くいかないのは当然です。
そこは、「初めのうちは仕方ない」と割り切りましょう。
大切なのは、その環境でプレーし続けること、そして適応するための努力をすることです。
今回は、「所属チームよりもレベルの高いチームでプレーするケース」について考えてみました。
レベルの高い環境でプレーすることが上達に有効なことは、想像しやすいと思います。
では、レベルの低い環境でプレーすることは、上達にとって有効なのでしょうか?
そこで次回は、『所属チームよりもレベルの低いチームでプレーするケース』についてお送りしたいと思います。
お楽しみに!!
上達には、「自分で考え、実践する」ことが不可欠!!
この情報を、自分で考える上でのヒントにしていただければ幸いです(^−^)
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