鎖国状態になるな!(2) −第148号−

技術レベル:★★☆☆☆
社会人サッカー・フットサルは、チームの枠を超えてプレーすることが容易にできます。
これは、部活動にはない社会人ならではの特徴です。
この特徴を活用することで、個人のレベルアップを促すことができます。
前回は、『所属チームよりもレベルの高いチームでプレーするケース』についてお送りしました。
これは、チームの中心選手には特にオススメのケースです。
【第147号−鎖国状態になるな(1)】
今回は、その逆である『所属チームよりもレベルの低いチームでプレーするケース』についてお送りします。
もし、あなたが所属チームで中心選手でない人(例えば、いつも途中出場の人、スタメンになれるかなれないか瀬戸際の人)であれば、このケースがオススメです。
このメルマガの読者は向上心が高く、「スタメンになりたい」、「試合で活躍したい」という思いを人一倍強く持っています。
あなたも、そうではないでしょうか?
しかし、周りのレベルが高く、思うように試合に出られない・・・
そのようなジレンマに耐え、ようやく出場機会が巡ってきた!
このようなメンタル状態で試合に出ると、どうなるでしょうか?
「これ機に、スタメンを取ってやる!」、「自分をアピールしなきゃ!」という思いが強くなります。
すると、リードしており、時間稼ぎをしたいような状況でも、ドリブル突破やスルーパスなど、ボールを失う可能性の高いプレーをしてしまいます。
こういったプレーは、「時間稼ぎをしたい」というチームの目的から考えると、必要のないプレーです。
つまり、1人だけゲームの流れが見えていないのです。
こんなプレーをしていては、チームメイトからの信頼はなくなる一方で、出場機会も減っていってしまいます。
正常なメンタル状態であれば、もっとゲームの流れ沿ったプレーができるのに、置かれた環境がプレーに悪影響を及ぼしてしまう。
こんな悪循環に陥るケースが、よくあります。
何を隠そう、私も、スタメンになれない時は、こんな悪循環によく陥っていました。
一方、中心選手は、毎回安定的に試合に出場することができるため、落ち着いたメンタル状態で試合に臨むことができます。
すると、試合の流れに沿って、「自分が今何をするべきか?」を読み取ることができます。
サッカー・フットサルは、個人競技ではありません。
どんなに優れた個人技を持っていても、それがチームの目的と一致していなければ、意味の無いプレーになってしまうのです。
同じ様な技術を持っていても、スタメンとサブに分かれてしまうのは、このメンタル状態が大きな要因だと私は考えています。
では、中心選手のようなメンタル状態を身に付けるには、どうすればいいのでしょうか?
それは、あなた自身が中心選手になるしかありません。
「それができないから困ってるんじゃないか!」と思われたことでしょう。
しかし、今の実力のまま中心選手になる方法があるのです。
それが、「所属チームよりもレベルの低いチームでプレーすること」です。
所属チームよりもレベルの低いチームであれば、周りのプレーヤーのレベルは、所属チームよりも下がります。
その中では、あなたが中心選手の位置づけでプレーできるのです。
中心選手になると、プレースタイルにある変化が起こります。
今まで自分の事ばかりを考えてプレーしていたのが、チームの事を考えてプレーするようになるのです。
「この試合に勝つためには、チームとして何をするべきか?」
そして、「そのために、自分は何をするべきか?」といった事を考えてプレーするようになります。
そして、この考え方が、試合の流れに沿ったプレーにつながるのです。
これこそが、中心選手のメンタル状態です。
このメンタル状態を経験すると、サッカー・フットサルに対する理解が深まります。
すると、所属チームに戻り、途中出場になっても、「今、自分が何をすべきか?」を理解した状態で、試合に入ることができます。
その結果、途中出場でも、試合の流れに沿ったプレーができるようになるのです。
あなたが試合の流れに沿ったプレーをすることで、チームメイトからの信頼が大きくなり、出場機会が増えるかもしれません。
そして、あなたは、スタメンやスーパーサブなど、チームになくてはならない存在へと変わっていくかもしれません。
「上手くなりたければ、自分より上手い人と練習しなければダメだ」と、よく言われます。
「レベルの低い環境でプレーすれば、自分自身のレベルも下がってしまう」と・・・
この理論は、個人のプレーだけに焦点を当てれば、的を射ています。
Jリーグでも、有望な高校生や大学生を、強化指定選手として各クラブに送り込んでいます。
より早い段階で、上のレベルを経験させることで、有望選手の成長を促す効果があるからです。
しかし、チームプレーという視点で考えると、常にレベルの高い環境に身を置くことだけが得策にはなりません。
チームスポーツでは、個人のプレーは、チームの目的と一致したものでなくてはなりません。
そして、そのようなプレーは、サッカー・フットサルを深く理解し、チーム全体を考えられるだけの余裕を持っていなければできないのです。
常に試合に出られるか、出られないかという環境の中で、それだけの余裕を持つというのは、向上心の高い人ほど難しいのです。
強化指定選手というのは、各チームの中心選手が選ばれます。
所属チームに戻れば、スタメンの席が確保されているのです。
つまり、彼らは、この時点では、中心選手のメンタルを身に付けている人達なのです。
(※実際にプロになって、ポジション争いをする環境になると、話は変わりますが・・・)
チームの枠を超えてプレーできる社会人ならではの特徴を活用することで、所属チームの中心選手ではない人でも、中心選手のメンタルを身に付けることができます。
サッカー・フットサルにおいて大切なのは、個人とチームの調和です。
所属チームに対して、あなたは何ができるでしょうか?
このことを理解してプレーすることで、あなたのプレーヤーとしての価値は、大きく上がることでしょう。
上達には、「自分で考え、実践する」ことが不可欠!!
この情報を、自分で考える上でのヒントにしていただければ幸いです(^−^)
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