マニュアル人間になる! −第110号−

技術レベル:★☆☆☆☆
いくら希望しないポジションと言えども、ポジションを与えられて試合に出る以上は、その役割をこなすことに努力しなければなりません。
「どうせ本職じゃないし」と、いい加減なプレーをしていれば、すぐに信用をなくし、そのポジションすら与えられなくなってしまいます。
では、新たなポジションにつく時に、まずすべきことは何でしょうか?
私は、「マニュアル人間になること」だと思います。
マニュアルとは、「そのポジションの基本」を意味します。
「マニュアル人間」と聞くと、応用が利かないネガティブなイメージが浮かぶことでしょう。
しかし、ここではそのようには捉えていません。
マニュアル人間になることは、応用が利くプレーヤーになるための第一歩なのです。
【プレーの判断基準にする】
各ポジションには、それぞれ与えられた役割があります。
FWは点を取ること、MFは守備と攻撃のつなぎ役になること、DFは失点を防ぐこと…などなど。
(他にも様々な役割がありますが、今回は詳細には触れません。)
各ポジションのプレーヤーが、各々の役割をこなすことで、チームプレーが成り立つのです。
そもそも各々が好き勝手プレーするのであれば、ポジションなんて概念は必要ありませんよね。
初めて経験するポジションでは、どんなプレーが良いのか、どんなプレーが悪いのかが、いまいち分かりません。
そこで、自分のプレーをマニュアル(ポジションの基本)に照らし合わせることで、「そのポジションの役割をきちんとこなせているのか?」が判断できるのです。
新たなポジションにつく時は、まずマニュアルに沿ってプレーすることで、そのポジションの基本的な役割をこなせるようになります。
【そのポジションに必要な技術、戦術を身に付ける】
サッカー・フットサルの基本技術は、全ポジション共通です。
ポジションによって、インステップの蹴り方が違うなんてことはありませんよね。
しかし、必要な技術、戦術は、ポジションによって異なります。
例えば、サッカーのFWは点を取ることが最重要項目です。
このため、FWにとってシュート技術は、必ず身に付けておかなければならない技術です。
しかし、FWにとって1対1の守備は、必ずしも身に付けなければならない技術ではありません。
DFは、失点を防ぐことが最重要項目です。
このため、DFにとって1対1の守備は、必ず身に付けておかなければならない技術です。
しかし、DFにとってシュート技術は、必ずしも身に付けなければならない技術ではありません。
このように、ポジションによって必要な技術、戦術は異なるのです。
「センターバックをやっているんですが、ヘディングが苦手です。どうしたらいいですか?」というようなご相談をいただくことがあります。
答えは一つ、「苦手なら練習してください」です。
おそらく相談者は、「ヘディングが苦手なら、こうすればいいですよ」という代替案を期待していたのだと思います。
しかし、冷たいようですが、答えはこれしかありません。
なぜなら、センターバックにとってヘディングは、必ず身に付けておかなければならない技術だからです。
ヘディングが苦手では、センターバックの役割はこなせません。
だから、「苦手なら練習してください」という答えしかないのです。
あなたのポジションで必ず身に付けておかなければならない技術、戦術は何ですか?
そして、それはきちんと身に付いていますか?
日本の伝統芸能の世界には、「守・破・離」という言葉があります。
「守」とは、師匠の教えを忠実に守る段階。
「破」とは、師匠の教えから抜け出し、自分なりの方法を取り入れていく段階。
「離」とは、師匠の教えから完全に離れ、自分なりの方法を確立する段階。
つまり、まず基本となる「型」を修得し、そこへ徐々に自分なりの方法を取り入れ、最終的には自分のオリジナルの「型」を確立する、というものです。
これは、サッカー・フットサルにも当てはまる言葉だと思います。
ポジションとは、サッカー・フットサルの歴史の中で「どうしたら効率よく勝利に結びつけることができるか?」を考えた結果、生まれた概念です。
まずは、先人達が考え抜いて確立した基本を身に付け、そこから自分のオリジナルに昇華させていくことが、上達の近道、そして王道だと思います。
上達には、「自分で考え、実践する」ことが不可欠!!
この情報を、自分で考える上でのヒントにしていただければ幸いです(^−^)
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