生涯現役・親睦第一・勝敗第二のサッカー活動を通じ人生の生き甲斐を満喫する60歳以上のサッカーチームです。
パスカットを成功させる2つのコツ −第152号−
技術レベル:★★★☆☆ 今回は、DFメザシさんの質問について考えてみましょう。 ・・・・・・ DFをしているのですが、パスカットに出るタイミングがよくわかりません。 練習方法やタイミングがあれば教えてください。 お願いします。 ・・・・・・ DFメザシさん、ありがとうございます。 DFからMFへの縦パス、MFからFWへの縦パスは、攻撃開始の合図となるプレーです。 この縦パスを合図に、MFやDFは押し上げを開始します。 縦パスを通してしまうと、自陣の深い位置に攻撃の起点を作られるため、大きなピンチにつながります。 しかし、縦パスをカットすることができれば、相手が前がかりになっているところへカウンターを仕掛けることができるため、大きなチャンスにつながります。 このため、DFが相手FWをマークする時、第一にパスカットを考えるのがセオリーです。 ただし、パスカットは、非常にリスクの高いプレーです。 パスカットに失敗して、相手と入れ替わられるようなことになれば、相手の独走を許してしまいます。 こうなると、前線に起点を作られるどころの騒ぎではありません。 即失点のピンチになってしまいます。 このため、DFは、100%成功する自信がなければ、パスカットに行くべきではありません。 DFメザシさんの質問では、「パスカットに出るタイミングを教えてほしい」ということですが、これはプレーヤーによって異なるため、自分自身で見つけていただくしかありません。 今回は、パスカットの成功率を高めるポイントについて考えていきたいと思います。 パスカットの成功率を高めるポイントは2点です。 【1.相手より早くボールに寄せる】 パスカットをするには、相手より早くボールに触らなければなりません。 つまり、相手より早くボールに寄せる必要があるのです。 ・・・当たり前ですね。 しかし、通常DFは、相手FWよりもボールから遠いところにポジションを取ります。 この状態で相手より早くボールに寄せるには、どうしたらいいのでしょうか? そう、相手より速く動けばいいんです。 ・・・当たり前ですね。 【2.相手の死角に入る】 DFがパスカットを狙っていることは、相手FWも知っています。 相手は、DFをブロックしたり、フェントを使うなど、パスカット対策を取ってきます。 ↑これだけなら、まだかわいい方です。 いやらしいFWは、DFがパスカットに来た力を利用して、うまく入れ替わってやろうと狙っています。 DFがパスカットに行く時は、成功率100%を目指さなければなりません。 しかし、FWがDFと入れ替わり裏へ抜けるプレーは、成功率10%でも良いのです。 FWは、プレーが失敗しても、即失点になるようなリスクがないからです。 このため、DFよりも思い切ったプレーを選択できるのです。 こう考えると、DFが圧倒的不利のように思えてしまいますね。 しかし、相手のパスカッ対策を封じ込めることができたら、どうでしょうか? パスカットが非常に容易になりますよね。 では、そのためにはどうしたらいいのでしょうか? そう、相手FWの頭の中から、DFの存在を消してしまえばいいんです。 つまり、相手FWの死角に入るということです。 【3.この2点を満たす方法とは?】 では、相手の死角に入りつつ、相手よりも早くボールに寄せるには、どうしたらいいのでしょうか? そのコツは、「相手から少し離れたポジショニングを取ること」にあります。 あなたは、DFがFWをマークする時、どんなマークの仕方が有効だと思いますか? 相手にピッタリとくっつく「密着マーク」。 密着マークをすれば、相手に前を向かせることを防ぐことができ、相手の自由を奪うことができるため、これはこれで有効な戦術の1つです。 しかし、パスカットを狙うという意味では、密着マークは適していません。 なぜなら、相手にピッタリつくことで、相手FWにDFの存在を知られてしまうからです。 相手にDFの存在を知られ、ブロックされれば、相手より早くボールに寄せることもできなくなってしまいます。 これに対し、相手から少し離れてマークすると、相手の死角に入ることが容易になります。 なぜでしょうか? DFがピッタリついていると、相手FWは、背中や腕などを触覚にしてDFの位置を確認することができます。 しかし、相手から少し離れると、相手FWは、目でDFの位置を確認しなければならなくなります。 相手FWが縦パスを受けるということは、相手ゴール方向からパスが来るということです。 つまり、相手FWが縦パスを受けるためには、いったん攻撃方向から視線を外さなければならないのです。 それは、DFから視線を外すことを意味します。 その瞬間に、相手の死角に入れば、相手はDFを見失ってしまうのです。 また、相手から少し離れてマークすることで、相手より早くボールに寄せることも容易になります。 なぜでしょうか? 密着マークをすると、DFの目の前には相手FWが壁のように立ちはだかっています。 この状態で相手より早くボールに触るには、一度横へ移動し、そこから前へ出るという直角的な動きが必要になります。 相手FWを押しのけて行けば、ファウルになってしまいますからね。 この動き方で、相手より速く動くことは容易ではありません。 しかし、相手から少し離れることで、曲線的な動きで相手FWの前へ出ることができるようになります。 また、相手から少し離れることで、助走を取る距離が生まれます。 相手FWにパスが出された瞬間、相手FWより早めにスタートを切れば、助走を利用し、相手よりスピードに乗ってボールに寄せることができるのです。 このように、パスカットには、相手から少し離れたポジショニングを取るマークの仕方が適しているのです。 では、どれくら相手から離れたらいいのでしょうか? これは、プレーヤーによって異なるため、自分自身で見つけていただくしかありません。 【4.パスカットの練習法】 パスカットの練習法として、私が大学時代に行っていた対面パスの応用メニューをご紹介します。 (※記載された距離は参考数値ですので、レベルに応じて変えてください) 3人1組で行います。 2人は通常の対面パスと同様に、向かい合って7〜8m離れます。 これが、パサー役とFW役になります。 FWの1.5m後ろに、残りの1人がDF役として立ちます。 こんな感じです↓ ● ○ 。○ DF役 FW役 パサー役 パサーは、FWの足下に強めのパスを出します。 DFは、ダッシュでFWの前に出てボールをカットし、パサーに返します。 DFがパスカットの感覚を掴む練習ですので、FW役は、立ったまま何もしない設定で行います。(DFをブロックしたり、ボールを迎えに行くようなことはしません) 私はこの練習で、相手FWとの距離感、スタートダッシュのタイミングの感覚が身に付きました。 また試合中、相手が後ろ向きにボールを受けるような場面で、パスカットへの意識が高くなりました。 あとは、実戦を通して、自分に合ったタイミング、距離感を見つけていくことになります。 最初の内は、相手にブロックされたり、相手に入れ替わられるなど、失敗することも多いでしょう。 しかし、それも経験の1つです。 失敗をしなければ、何が良くて、何が悪いのかすら分かりません。 大切なのは、失敗から学ぶ姿勢を忘れないことです。 上達には、「自分で考え、実践する」ことが不可欠!! この情報を、自分で考える上でのヒントにしていただければ幸いです(^−^) ←前の記事に <サッカー上達法・目次>にもどる 次の記事に→