環境の変化に対応できていますか? −第156号−

技術レベル:★★★☆☆
先日、後輩プレーヤーからこんなことを言われました。
「どーなさん、オレもうダメだわ。若いヤツらについていけねぇ」
彼は28才のFWで、昔はテクニックとスピードを武器に、ボールを持てば2、3人抜いていくようなプレーヤーで、ゴールもバシバシ決めていました。
しかし、所属チームには20代前半のプレーヤーが多く、彼らに比べスピードと体のキレが衰えてきていることを感じているようです。
確かに、最近はドリブルで仕掛ける回数が減っていることを、私も感じていました。
そんな会話をしていると、
「お前もそんな年になったか。そこが選手生命の分かれ道なんだよな」
と、36才の先輩DFが話に入ってきました。
10代〜20代前半の学生の頃は、年齢と共に体も成長していきます。
このため、年齢と共にどんどん上達していきます。
しかし、20代後半辺りから、年齢によるスピード、体のキレの衰えを感じるようになってきます。
ずっと同年代だけでプレーしていれば、こんなことを感じることはないでしょう。
しかし、社会人サッカー・フットサルでは、どんどん下の世代が加わってきます。
親子の年齢差があるようなプレーヤーが、同じピッチに立つこともあるのです。
10も20も年齢差があれば、フィジカル的には当然若手の方が有利になります。
では、ベテランが若手に勝る部分はないのでしょうか?
話を元に戻しましょう。
この先輩DFとは、サッカーを通して7〜8年の付き合いになります。
知り合った当時は別のチームに所属しており、ハードタックルが売りの肉体派DFでした。
私も1対1の勝負をできるだけ避けていました(笑)
しかし、現在は、カバーリングと守備の指示を主とした頭脳派DFとして活躍しています。
1年ほど前から同じチームでプレーしていますが、適確な指示、ミスの少ないプレーをしてくれるので、とても頼りになります。
また、グラウンドの外では、若手とくだけた話をするなど、雰囲気作りにも一役買ってくれています。
ベテランが若手に勝る部分、それは「経験」です。
豊富な経験で、試合の流れを読んだプレーをすることができます。
チーム全体のバランスを見て、危険なスペースを埋めたり、空いたスペースを上手く活用することができます。
チームメイトの特徴をつかみ、長所を活かすようなプレーをすることができます。
また、10才も20才も離れていれば人生経験も豊富になります。
チームの雰囲気を見て、適切な声かけをすることができます。
感情的にならず、冷静にチームメイトの話を聞くことができます。
感情的にならず、チームメイトを諭すような話し方をすることができます。
同年代では言い争いになってしまうような場面でも、俯瞰して見ることのできるベテランがいれば、生産的な話し合いになるでしょう。
サッカー・フットサルを続けていく中で、年齢によるフィジカルの衰えは誰にでも訪れます。
それに対して、周り(味方、相手共に)の年齢はどんどん若くなっていきます。
自分の置かれた状況が変われば、自分自身も変わっていく必要があります。
長谷部誠選手の著書に、こんな一文が書かれていました。
「超訳 ニーチェの言葉」という本から引用した一文です。
<脱皮して生きていく>
脱皮しない蛇は破滅する。
人間もまったく同じだ。
古い考えの皮をいつまでもかぶっていれば、やがて内部から腐っていき、
成長することなどできないどころか、死んでしまう。
常に新しく生きていくためには、私たちは考えを新陳代謝していかなくてはならないのだ。
【心を整える。 勝利をたぐり寄せるための56の習慣 長谷部誠著】
http://goo.gl/DVM0u
【超訳 ニーチェの言葉 白取春彦翻訳】
http://goo.gl/EfPC2
社会人でサッカー・フットサルを続けていると、色々な環境の変化があります。
年齢の変化や若手の台頭はもちろん、結婚や出産による生活環境の変化、転勤による職場環境の変化など・・・
環境が変わっても、プレーし続けるためには、自分自身を変えていかなければなりません。
例えば、
年齢によるフィジカルの衰えを、頭を使ったプレーでカバーする。
(もちろん、若手主体のチームからベテラン主体のチームへ移籍すれば、逆のことが言えます。)
年齢を重ねるとケガをしやくすなるため、今までよりもアップやダウンを念入りに行う。
結婚、出産などで練習時間が少なくなれば、時間管理をしっかり行ったり、練習メニューを工夫して時間短縮を図る。
自分の置かれた状況を把握し、今の自分ができることを精一杯する。
このように心掛ければ、もっとサッカー・フットサルを楽しむことができ、選手生命も長くなるでしょう。
上達には、「自分で考え、実践する」ことが不可欠!!
この情報を、自分で考える上でのヒントにしていただければ幸いです(^−^)
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