あなたなりのプレーの優先順位を持っていますか?

技術レベル:★★★☆☆
初心者、中級者がよくぶつかる壁に、「状況判断」があります。 試合中、ボールを持っても、判断が遅く、パスが出せなかったり、相手に寄せられてボールを奪われたりしてしまいます。
サッカー・フットサルでは、ボールを持ってから、「さあ、何をしよう?」と考えていたのでは遅過ぎます。 相手を崩して得点するためには、相手の先を取って動かなければなりません。 そのためには、ボールを持つ前に、「ボールを持った後のプレーイメージ」を作っておくことが大切です。 プレーイメージは1つではなく、複数作っておくことが理想です。 そして、実際にボールを持った時、作っておいたプレーイメージの中から、周りの状況に応じて、最適なプレーを選択するのです。
しかし、「どんなプレーイメージを作ったらいいのか分からない」、「周りを見ても、何も考えつかない」という人が結構います。
どんなプレーイメージを作ったらいいのか? これは、サッカー・フットサルの目的を考えると分かります。 サッカー・フットサルは、相手よりも多く得点を取ることで、勝敗が決まります。 つまり、「得点の可能性が高いプレー」のイメージから優先的に作っていくのです。
この点について、サッカーには、パスの優先順位に関するこんなセオリーがあります。
1.相手DFラインの裏 2.FWへのくさびのパス 3.縦パス 4.横パス 5.バックパス
これを見て、「そうか、この順番を基準に選べばいいんだ」と考えるのは、大きな勘違いです。
このセオリーを真に受けてプレーすると、どうなるでしょうか? 例えば、センターバックがボールを持った時、「相手DFの裏へロングパスを放り込む」というプレーを最優先で選択するのが正しい、ということになります。 すると、ひたすらDFからロングボールを放り込むだけのサッカーになってしまいます。 果たして、これが本当に得点の可能性が高いプレーと言えるでしょうか?
それよりも、味方MFに正確なパスをつなぎ、もっと高い位置までボールを運ぶ方が、得点の可能性が高いプレーと言えるでしょう。
もちろん、DFからのロングパスが得点につながることもあります。 しかし、それは、「ショートパスで組み立てる」という布石があるからこそ成功するのです。 常にロングパスばかり出していたのでは、相手に簡単に対応されてしまいます。
確かに、ピッチ上にパスの出し手と受け手の2人しかいなければ、この順番が得点の可能性が高い順番になるでしょう。 しかし、実際の試合には、この2人の他に20人ものプレーヤーがいます。 これだけの人数が絡んでくると、「得点の可能性が高いプレー」の順番も変わってくるのです。 つまり、この順番は、あくまで「得点の可能性が高いプレーを優先的に選びましょう」ということを表しているに過ぎないのです。
では、得点の可能性が高いプレーとは、どんなプレーを指すのでしょうか? これには、自分の特徴、味方の特徴、相手の特徴を掴むことがポイントです。
例えば、味方にパス能力の高いMFがいる場合、そこから効果的なパスを出してもらえば、得点の可能性が高まることが考えられます。 すると、この場合の得点の可能性が高いプレーは、「パス能力の高いMFへのパス」ということになります。 直接そのMFにパスを出せない場合は、「そのMFにパスを出せる味方へのパス」が得点の可能性が高いプレーになります。
味方に体が大きく、ポストプレーの得意なFWがいる場合、そこでボールをキープし、攻撃の起点になってもらえば、得点の可能性が高まることが考えられます。 すると、この場合の得点の可能性が高いプレーは、「ポストプレーヤーへのパス」ということになります。 直接ポストプレーヤーにパスを出せない場合は、「ポストプレーヤーにパスを出せる味方へのパス」が得点の可能性が高いプレーになります。
パスだけが得点の可能性が高いプレーではありません。 あなたがドリブルが得意で、サイドを突破してセンタリングを上げられるのであれば、「自分でドリブル突破」が得点の可能性が高いプレーになります。
また、得点の可能性が高いプレーは、味方と相手の力関係からも見出せます。 例えば、相手の左サイドバックが、明らかに味方の右サイドハーフよりも力が劣っている場合、味方の右サイドハーフが勝負すれば、勝つ可能性が高いと考えられます。 すると、この場合の得点の可能性が高いプレーは、「右サイドハーフへのパス」ということになります。 直接右サイドハーフにパスを出せない場合は、「右サイドハーフにパスを出せる味方へのパス」が得点の可能性が高いプレーになります。
このように、プレーの優先順位は、自分の特徴、味方の特徴、相手の特徴、ポジション、ゲーム展開など、色々な要素が絡み合って決まります。 その時々の状況に応じて判断していかなければなりませんが、あなたのプレーの基本的な優先順位を予め考えておくと、試合で考える負担が少なくなるでしょう。
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<セルフコーチング能力(※)を身に付ける質問>
それでは、実際にあなたのプレーの基本的な優先順位を考えてみましょう。
サッカーノートと鉛筆を用意して、以下の質問について考えてみてください。
1.あなたのチームで、「得点の可能性を高めるキーマン」は誰ですか?
  (複数可、もちろん自分を入れてもOKです。)
2.そのキーマンの特徴は何ですか?思いつく限り書き出してください。
3.そのキーマンを活かすために、あなたはどんなプレーができますか?
4.あなたの基本的なプレーの優先順位は、どうなりますか?
  (プレーの判断は、状況によってかわります。あくまで「基本的な」です)
5.その優先順位に基づいてプレーするために、あなたは何を練習するべきですか?
(※)セルフコーチング能力とは?・・・問題に向き合い、解決策を見つけ、具体的な行動をとる能力で、
サッカー・フットサル上達に必要不可欠な能力です。
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上達には、「自分で考え、実践する」ことが不可欠!!
この情報を、自分で考える上でのヒントにしていただければ幸いです(^−^)
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