上達に必要な思考法とは? −第171号−

技術レベル:★☆☆☆☆
サッカー・フットサルの上達に役立ちそうなこと、それは「垂直思考」と「水平思考」というものです。
垂直思考とは、1つの問題を深く掘り下げて、解決策やアイディアを探る思考です。
水平思考とは、次から次へと横へスライドしていく思考で、ネットサーフィンのようなイメージです。
サッカー・フットサル上達に必要なのは、どちらの思考だと思いますか?
鋭いあなたならお分かりだと思いますが、「垂直思考」です。
サッカー・フットサル上達のためには、何が課題なのか?
その課題を解決するためには、どんな練習をしたらいいのか?
こういったテーマで掘り下げて考えていくことで、上達の糸口が見えてきます。
垂直思考をうまく進めていくコツは、自分自身に「適切な質問」を投げかけることです。
Q1:サッカー・フットサル上達について考える場合、まずは「上達のためには、何をすればいいか?」という質問になるでしょう。
    ↓
A1:例えば、「ロングキックの練習が必要」という答えだったとします。
    ↓
Q2:これをさらに掘り下げていくと、例えば「なぜ、ロングキックの練習が必要なのか?」という質問が出てきます。
    ↓
A2:これに対して、例えば「ロングパスの精度が低いから」という答えだったとします。
    ↓
Q3:この答えをさらに掘り下げると、例えば「どんな場面でのロングパスの精度が低いのか?」という質問が出てきます。
    ↓
A3:これに対して、例えば「ボランチの位置で、サイドチェンジをする時にキックミスが多い」という答えだったとします。
    ↓
Q4:この答えをさらに掘り下げると、例えば「それは、キックの技術的な問題か?それとも他に原因があるのか?」という質問が出てきます。
    ↓
A4:これに対して、例えば「キックの技術的な問題もあるが、蹴ろうとするときに、相手に寄せられて焦ってしまう」という答えだったとします。
    ↓
Q5:この答えをされに掘り下げると、例えば「なぜ相手に寄せられてしまうのか?」という質問が出てきます。
    ↓
A5:これに対して、例えば「サポートに入るタイミングが悪いから」という答えだったとします。
    ↓
Q6:この答えをさらに掘り下げると、例えば「サポートのタイミングを良くするには、どうすればいいか?」という質問が出てきます。
    ↓
A6:これに対して、例えば「闇雲に動き過ぎず、パサーのタイミングを見て動き出すようにする」という答えだったとします。
    ↓
Q7:この答えをさらに掘り下げると、例えば「となると、良いサイドチェンジをするために、どんな練習をすればいいか?」という質問が出てきます。
    ↓
A7:これに対して、例えば「『タイミングよくサポートに入ってパスを受け、コントロールしサイドチェンジ』という一連の流れを通して練習する」という答えだったとします。
実際の過程はもっと細かくなると思います。
しかし、掘り下げたことで「ロングキックの練習が必要」という漠然とした答えが、
『タイミングよくサポートに入ってパスを受け、コントロールしサイドチェンジ』という一連の流れを通して練習する」という具体的な解決策になりました。
このように垂直思考をすることで、課題が明確になり、より具体的な練習をすることができます。
漠然と練習するよりも効率的に上達していくことができるのです。
しかし、「垂直思考を実践するためには、訓練が必要だ」と著者の齋藤孝さんは言っています。
なぜなら、垂直思考は、非常に疲れる思考法だからです。
人間が頭脳労働を行うとき、肉体労働の数倍エネルギーを使うそうです。
訓練を積んでいないと、適切な質問ができずに、適切な答えが出てこなかったり、
十分に掘り下げることができず、中途半端な答えしか出てこなかったりするのです。
垂直思考を鋭くするには、「訓練が必要」と言われているように、定期的に考える習慣を持つことが大切です。
スポーツの練習というと、「体を動かして行うもの」というイメージが強いと思います。
しかし、闇雲に練習しても効果的な練習にはなりません。
自分の課題は何なのか?
その課題を解決するためには、どんな練習をすればいいのか?
ということを明確にして練習することで、効果的な練習になるのです。
というわけで、週に1回は自分の課題について考える時間を作ってみましょう。
5分や10分でも構いません。
体を動かす練習と同様に、継続することで、思考力も鍛えられ、鋭くなっていくのです。
上達には、「自分で考え、実践する」ことが不可欠!!
この情報を、自分で考える上でのヒントにしていただければ幸いです(^−^)
   ←前の記事に       <サッカー上達法・目次>にもどる       次の記事に→   

inserted by FC2 system