生涯現役・親睦第一・勝敗第二のサッカー活動を通じ人生の生き甲斐を満喫する60歳以上のサッカーチームです。
ポゼッションと状況判断(1) −第180号−
技術レベル:★★★☆☆ FC.バルセロナ(以下「バルサ」)やスペイン代表の影響で、ポゼッションサッカーは、現代サッカーのトレンドになっています。 今回はそんなスペインサッカーを参考に、状況判断とポゼッションについて考えてみましょう。 ご存知のように、バルサやスペイン代表のポゼッションサッカーは、ショートパスを中心に局面を打開し、 圧倒的なボール支配率で安全に勝ちきるサッカーです。 このサッカーを実現するには、高い技術と判断力が求められます。 そして、判断力が求められるのは、ボールを持っているプレーヤー(ボールホルダー)だけではありません。 ボールを持っていないプレーヤーの判断力、つまりサポートの仕方も非常に重要なポイントなのです。 まずはボールを持っていないプレーヤーに焦点を当てて見ていきましょう。 ポゼッションは、ショートパスを中心に展開されます。 そのため、ボールホルダーに対し、多くのパスコースを作ることがポイントになってきます。 つまり、ボールを持っていないプレーヤーは、パスコースを作るための判断をしていく必要があるのです。 「ボールホルダーに対し、三角形を作るようにサポートすることで最低でも2つのパスコースができる」 これは昔から言われているサポートの基本ですが、ただ三角形を作れば良いというものではありません。 ポイントは、距離感とタイミングです。 【1.距離感】 距離感とは、味方同士の距離のことを言います。 この距離を適切に保つことで、パスがつながりやすくなるのです。 もしこの距離が近過ぎたら、どうなるでしょうか? ボールホルダーに対してサポートに入れば、当然サポートに入ったプレーヤーに相手のマークが付いてきます。 つまり、味方と相手(マーク役)の2人分のスペースが埋まってしまうわけです。 サポートの距離が近過ぎると、ボールホルダーのプレースペースを2人分狭くしてしまうことになります。 これでは、サポート(助け)に行っているのか、邪魔しに行っているのか分かりません。 反対にこの距離が遠過ぎたら、どうなるでしょうか? サポートの位置が遠いと、パスの距離も長くなります。 考えてみてください。 5mのパスと15mのパス、どちらが通すのが難しいですか? 「15mのパスを通す方が難しい」という人がほとんどでしょう。 パスの距離が長くなれば、その分パスミスのリスクも高まります。 また、サポートの位置が遠すぎれば、ボールホルダーに気付いてもらえない可能性も高くなります。 いくらフリーでいても、味方に気付いてもらえなければ、パスコースを作っているとは言えませんよね。 このように、サポートの距離は、近過ぎず遠すぎず、適度な距離を保つことがポゼッションの重要なポイントです。 適度な距離は、何mという決まりがあるわけではありません。 ボールホルダーの技術によっても変わりますし、相手のディフェンスの仕方などによっても変わります。 サポートの距離感を養う練習には、「パス回し」が有効です。 2チームに分かれ、一定の大きさのグリット(人数、技術レベルに応じて設定)の中でパスをつないでいく練習です。 ポピュラーな練習法なので、多くのチームで取り入れている練習だと思います。 ボールホルダー側が数的優位になるようフリーマンを設定したり、タッチ制限を設けるなど、目的に応じて簡単にアレンジすることもできます。 ただし、この練習を行うと、全員がボールに寄ってしまい、団子状態になるような事態も起こります。 これでは、練習の目的が果たせません。 そこでスペインでは、プレーエリアを設定したバージョンも行われています。 【2.タイミング】 パスコースを作るためには、サポートに入るタイミングも重要です。 サポートに入ってパスを受けるには、一瞬でも相手のマークを引き離し、フリーな状態でスペースに入る必要があります。 フリーな状態を作り出せば、パスを受けた後のプレーを正確に行えます。 また、フリーな状態を作り出せば、ボールホルダーも安心してパスを出せます。 しかし、サポートのタイミングが早過ぎると、スペースに入っても、まだパスは出て来ません。 ボールホルダーが、まだパスを出せる状態になっていないからです。 そうこうしている内に、せっかく引き離した相手のマークが追いついてきてしまいます。 すると、フリーでパスを受けられなかったり、マークに付かれているためにパスを出されなくなってしまいます。 反対に、サポートのタイミングが遅過ぎると、パスに追いつけなかったり、何とか追いついても、余裕を持ってボールを持つことができなくなってしまいます。 また、ボールホルダーが気を利かせてパスのタイミングを合わせようとしている内に相手のプレスがかかり、結局パスを出せなくなったりします。 適切なタイミングでサポートに入るには、ボールホルダーの状態をよく見ることがポイントです。 ボールホルダーがパスを出せる状態になったのを見極めて動き出すのです。 「パスを出せる状態」というのは、ボールホルダーの技術レベルによって異なるので、一緒にプレーしていく中で見極めていくしかないでしょう。 上達には、「自分で考え、実践する」ことが不可欠!! この情報を、自分で考える上でのヒントにしていただければ幸いです(^−^) ←前の記事に <サッカー上達法・目次>にもどる 次の記事に→