ポゼッションと状況判断(2) −第181号−

技術レベル:★★★★☆
まず、ボールホルダーの状況判断の基本として「ボールを持つ前に、プレーイメージを作っておくこと」があります。 サッカー・フットサルでは、ボールを持ってから「何をしよう?」と考えていたら、すぐに相手に寄せられてしまいます。 そのため、ボールを持つ前に、「こんなプレーをする!」というプレーイメージを作っておく必要があるのです。
この点に関しては、2/10(金)配信のプレミアム版で取り上げましたので、今回はその他のポイントについて見ていきましょう。 【3分で分かる!サッカー・フットサル上達法 プレミアム】 http://www.mag2.com/m/0001311830.html (※登録月は無料でお読みいただけます。)
ボールホルダーのポゼッションにおける状況判断のポイントは、「プレーイメージを作ること」の他に、「技術」と「予測」、そして「視野の確保」があります。
【1.技術】
せっかく味方が良いサポートをしても、ボールホルダーがそこへパスを出す技術を持っていなければ、パスはつながりません。 (※サポートに入るプレーヤーも、ボールホルダーの技術に応じたサポートの仕方を考える必要があります) また、良いサポートに入ってパスが来ても、そのプレーヤーがボールを止める技術を持っていなければ、パスはつながりません。
サッカー・フットサルでは、技術が高いほど、多くのプレーイメージを持つことができます。 例えば、キックの種類が多ければ、グラウンダー、浮き球、ライナーなど、パスの球種が増え、それに応じてパスコースも増えます。 正確なキックを蹴ることができれば、より狭いスペースへパスを通すことができます。 また、トラップの技術が高ければ、より狭いスペースでもパスを受けることができるようになるため、プレーエリアが広がります。
特にポゼッションの場合は、正確なパスとトラップができることが重要です。 キックミスによりパスがずれると、パスの受け手はコントロールに手間取ることになり、その分時間のロスになります。 すると時間をロスした分、相手に寄せられたり、パスコースが無くなるなど、状況が変わってしまうため、ポゼッションに支障をきたすことになります。 トラップも同様で、トラップミスで時間をロスした分、目の前の状況は変わってしまうのです。 ポゼッションには派手な技術は要りませんが、高い水準の基本技術が必要なのです。
【2.予測】
状況判断には、周りを見て情報収集することが不可欠です。 しかし、情報を集めて終わりではありません。 集めた情報をいかに使うかが重要です。
集めた情報は、次の展開を予測するために利用します。 ボールの動き方、試合の状況、味方と相手の位置、スペースの位置、味方の特徴、相手の特徴といった情報をもとに、 相手DFは、どの方向から寄せてくるのか? 味方はどう動くのか? どこにスペースができるか? といったことを予測します。 このプロセスを通って、初めてプレーイメージを作ることができるのです。
では、どうすれば次の展開を予測できるようになるのでしょうか? これは、「経験」と「訓練」しかありません。 より多くの実戦経験を積むこと。 そして、プレー中は、常に周りを見て、常に考えることです。 これは、上級者でも集中してプレーしていないと疎かにしてしまう部分です。 だからこそ、高い意識で練習に臨み、「常に周りを見て、考えること」を習慣付けていくことが大切です。
【3.視野の確保】
ポゼッションは、多くのパスコースを作るように、ボールを持っていないプレーヤーがサポートに動きます。 前回お伝えした「三角形」は、サポートの基本ですね。
しかし、いくら周りがパスコースを作るように動いても、ボールホルダーが見えていなければ、元も子もありません。 (これは厳密に言えばパスを受ける前の話ですが、)広い視野を持つには、サポートの角度と体の向きを工夫し、できるだけ広い視野を保ってパスを受ける必要があります。
「視野の確保」を意識付けるのに適した練習が4対2や3対1のパス回し、通称「鳥カゴ」です。 <鳥カゴ> http://soccer-futsal.sakura.ne.jp/181.pdf 鳥カゴは、オフェンス側のプレーヤーの配置がある程度固定されています。 また、オフェンスの味方同士の距離も遠くはありません。 このため慣れてくると、「大体この辺にいるだろう」という勘でパスをつなげるようになってきます。 ボールと逆サイドの味方を目で確認しなくても、パスがつながってしまうのです。 鳥カゴなら、これでも結果オーライでパスがつながりますが、実戦では通用しません。 実戦は、鳥カゴのように味方の位置も、相手の位置も固定されておらず流動的です。 どこに味方がいるのか、どこから相手のプレッシャーが来るのか分かりません。 常に状況は変わっていきます。 このため、落ち着いてプレーするためには、ボールに対して体を開き、視野を広く保つ必要があるのです。
では、鳥カゴの際、どのようなことを意識すれば、広い視野が身に付くのでしょうか? それは、ボールと逆サイドの味方を確認せず勘でパスを出す、という「横着をしないこと」です。 常にボールとプレーヤー全員(味方、相手共に)が視界に入るように、ポジショニングと体の向きを工夫してみましょう。 これを習慣付けることで、広い視野を確保することができるようになります。 この点も、上級者でも集中していないと疎かにしてしまう部分です。 FWでもMFでもDFでも、サイドでもセンターでも、全てのポジションで応用できるスキルなので、ぜひ習慣付けてください。
上達には、「自分で考え、実践する」ことが不可欠!!
この情報を、自分で考える上でのヒントにしていただければ幸いです(^−^)
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