あなたにとってミスパスとは、どんなパスですか? −第185号−

技術レベル:★★★☆☆
パスにとって「正確性」は、非常に重要なポイントです。 正確なパスは、スムーズな攻撃を可能にします。 反対にパスに正確性を欠くと、攻撃の遅れが起こります。 例えば、受け手がダイレクトで前線へパスを出すイメージを持っていたとします。 ところが、パスコースがずれていたり、ダイレクトでプレーできないような強いパスが来たらどうでしょうか? 受け手は、一度ボールコントロールしなければならなくなり、イメージしていたプレーは実行できなくなります。 その結果、攻撃が遅れ、相手に守備の陣形を整える時間を与えてしまいます。 パスが長すぎたり、短すぎたり、 強すぎたり、弱すぎたり・・・ 少しのパスのずれであっても、それで攻撃のチャンスをつぶしてしまうこともあるのです。
【1.正確なパスを出すポイント】
では、正確なパスを出すには、どんなことに気を付ければいいのでしょうか? 私は、非常に基本的な2つのポイントを押さえるべきだと考えています。
<1.パスの受け手を見る>
1つ目は、パスの受け手の状態をしっかり見ることです。 パスの受け手は、どこでボールが欲しいのでしょうか? スペースに欲しいのでしょうか、足下に欲しいのでしょうか? 右足に欲しいのでしょうか、左足に欲しいのでしょうか? また、どのタイミングで欲しいのでしょうか? パスを受けた後、どんなプレーをしようとしているのでしょうか? 受け手の体勢、ゼスチャー、プレーの特徴などから、受け手がどんなパスを求めているのかをイメージする癖をつけることが大切です。
<2.ボールを見る>
2つ目は、ボールをしっかり見て蹴ることです。 ノープレッシャーの状態で5〜10m程度のパスを出すくらいなら、それほど意識する必要はないかもしれません。 しかし、強いパス、長いパスを蹴る時は、押さえておきたいポイントです。 「ボールを見て蹴る」などというのは、サッカー・フットサルの基本中の基本です。 ところが、経験者でも意外と疎かにしがちなポイントなのです。 ボールをよく見ずに蹴ってパスミスになるケースでよくあるのが、動いている味方にパスを出す時です。 特に多いのが、DFライン裏へのパスやクロスボールなど、ラストパスを出す時です。 こういった相手を崩す動きは、非常に速いスピードで行われます。 このため、ボールホルダー(ボール保持者)は、味方の動きを見ることに精一杯になり、ボールを見る余裕がないまま蹴ってしまうのです。 ボールをよく見て蹴っていないため、ミートできずに弱いパスになってしまったり、パスコースがずれてしまったりするのです。 こういったパスミスは、ボールを持ってから次のプレーを考えているために起こります。 優れたパサーは、こういった場面でこそ、ボールをしっかり見て、正確なパスを出します。 常に周りを見て情報収集しているので、ボールを持った時には、どのスペースにボールを出せばいいのかが分かっています。 あとはそのスペースへパスを出せば良いだけなので、周りの動きに慌てることなく、しっかりボールを見て蹴ることができるのです。 ボールをしっかり見て蹴ることができるというのは、それだけ余裕を持ってプレーできている証拠でもあるのです。
【2.正確なパスを出すための練習法】
パスの正確性というのは、キックの技術はもちろんですが、「正確なパスを出す」という意識面も大きく関わってきます。 「受け手にとって最適なパスを出す」という意識でプレーしている人と、「つながればOK」という意識でプレーしている人では、キックの技術は同レベルでも、パスの正確性には大きな差が出ます。 練習法には、相手をつけない状態で行うものと、相手をつけた状態で行うものがあります。 プレーヤーのレベル、練習目的に応じて使い分けていくと良いでしょう。
<1.相手をつけないで行う練習>
初心者や、経験者でも「受け手の状態を見て、ボールを見て蹴る」という基本から見直したいという人は、相手をつけずに2人一組でパス交換をする練習から始めるといいでしょう。 この時、2人ともその場で立ち止まってパス交換するのではなく、動きながら行うようにしましょう。 受け手は、どこにどんなパスが欲しいのかをアピールして動き、出し手はその動きを見ながら、パスの種類を判断します。 3人組、4人組と関わる人数を増やしていくと、より効果的な練習になります。
<2.相手をつけて行う練習>
サッカー・フットサルは、相手がいて、状況に応じた判断が必要なスポーツです。 相手をつけない状態で上手くできても、それだけでは実戦で通用するスキルを身に付けることはできません。 相手をつけない状態で、パスの正確性への意識が高まったら、相手をつけた状態で行う練習に発展させていきましょう。 練習メニューには、鳥かご(3対1、4対2など)やゴールを付けた2対1、3対2といった攻撃側の数的優位で行う練習が適しています。 攻撃側が数的優位であれば、攻撃側に余裕が生まれ、良い判断をする練習になるからです。 また、関わる人数を増やすと、1人ひとりのプレーヤーがボールに触る時間が減ってしまうため、初めは3対2くらいまでにすることをお勧めします。 相手がつくことで、味方の状態だけでなく、相手の存在も考慮して、最適なパスを判断する必要があります。 この状態で、パスの正確性を意識してプレーすることで、実戦でもパスの正確性に意識が向くようになります。 あなたにとって、ミスパスとはどんなパスですか? 正確なパスは、スムーズに攻撃を行うための重要な要素です。 ぜひ、1本1本のパスに対する意識を高く持ってもらいたいと思います。 上達には、「自分で考え、実践する」ことが不可欠!! この情報を、自分で考える上でのヒントにしていただければ幸いです(^−^)
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