守備のとき、何を基準にプレーしていますか?) −第188号−

技術レベル:★★☆☆☆
ディフェンスをする上で欠かせないものが、個人戦術です。 ディフェンスもサッカーのプレーのひとつですから、当然状況判断をする必要があります。 その状況判断の基準となるのが、個人戦術なのです。
例えば、ポジショニング。
相手ボールの時は、ボールとゴールの中心を結んだ直線上、かつボールと自分のマークが同時に見える位置に立つのが基本です。 ボールとゴールを結んだ直線状に立つことで、相手のボールホルダー(ボール保持者)のシュートやゴール方向へのドリブルやパスを防ぐことができるからです。 また、ボールとマークを同一視野内に捉えることで、ボールの動きと自分のマークの動きを把握することができ、相手の動きに対応しやすくなるからです。
例えば、自分のマークにパスが出された時の状況判断。
このような時は、以下の優先順位を基準にしてプレーを選択します。 1.インターセプト 2.相手のトラップミスを狙う 3.前を向かせない 4.ディレイ(相手の攻撃を遅らせる) 見て分かると思いますが、優先順位の高いものほど、相手のプレーの選択肢を少なくすることができます。 それと同時に、ボールを奪った後に、攻撃につなげやすいプレーにもなっています。 この優先順位を基準に、状況に応じた判断をしていくのです。
広いピッチの中で闇雲にボールを追い掛け回しても、相手のボールを奪うことはできません。 ただ疲れるだけです。 効率よくボールを奪うには、相手のプレースペースを狭め、相手のプレーの選択肢を少なくすることがポイントです。 そして、状況判断は瞬時に下す必要があります。 個人戦術は、そんな状況判断の基準となり、判断のスピードを速めてくれるのです。
また、ディフェンスには、「やってはいけないプレー」があります。
ディフェンスのミスは、即失点というような大きなピンチにつながります。 そのため、リスクの高いプレーは避けなければなりません。
例えば、相手のカウンターを受け、1対2の数的不利の状況となった場合。
この時、ボールホルダーに対して積極的にボールを奪いに行ったらどうなるでしょうか? ワンツーで簡単に置いてきぼりにされ、相手の独走を許してしまいます。 このような時は、無闇に飛び込まず、ディレイで味方の戻りを待つという対応が正解です。 サッカー・フットサルは、相手よりも点を多く取るスポーツです。 1点守ることは、1点取ることと同じなのです。 つまらないミスで失点することが、いかにもったいないことか。 個人戦術は、そんな「やってはいけないプレー」の判断基準にもなるのです。 このように、個人戦術は、ディフェンスをする上で欠かせないものなのです。 特にDFでプレーする人は、守備の個人戦術を身に付けておくことは、必須要素となります。
では、個人戦術は、どのようにして学べばいいのか? 監督やコーチがいる人は、まずはそういった指導者に聞いてみるといいでしょう。 教えてくれる人がいないという人は、自分で勉強しましょう。 本屋さんに行けば、戦術に関する本が多数置かれています。 こういった本でも、個人戦術は十分学ぶことができます。 ※私がお薦めする本は、「おすすめアイテム紹介」のコーナーにのせておきますね。
ここで1つ注意点があります。 戦術本に載っている状況というのは、1対2や2対3など、実際の試合の状況を単純化したものがほとんどです。 しかし、実際の試合では、もっと多くのプレーヤーが関わります。 プレー場所も、ゴール前だけでなく、サイドやセンターサークル付近、自陣でのプレーなど様々です。 このため、試合で実践するには、実際に起こっている状況に応じて、形を変えていく必要があります。 このように応用できるようになるには、「動作を機械的に覚えるだけ」はNGです。 冒頭のポジショニングやプレーの優先順位のように、「なぜ、そうなるのか?」という理由を理解することが大切です。 そして頭で理解したら、今度は実際のプレーの中に取り入れ、練習していきましょう。 最終的には、「頭で考えなくても、状況に応じたポジショニングができる」など、無意識レベルで実践できるようになることが目標です。
上達には、「自分で考え、実践する」ことが不可欠!! この情報を、自分で考える上でのヒントにしていただければ幸いです(^−^)
   ←前の記事に       <サッカー上達法・目次>にもどる       次の記事に→   

inserted by FC2 system