生涯現役・親睦第一・勝敗第二のサッカー活動を通じ人生の生き甲斐を満喫する60歳以上のサッカーチームです。
リフティングは、トラップの上達に役立つのか? −第137号−
技術レベル:★★☆☆☆ 今回は、宇佐美貴史さんからの質問について考えてみたいと思います。 ・・・・・・ リフティングを練習しています。 回数は少しずつ最初は50回ぐらいだったのが、一週間ぐらいで250回までできるようになりましたが、試合でなかなかうまくトラップができません。 ・・・・・・ 宇佐美貴史さん、ありがとうございます。 リフティングは、ボール感覚をつかむのに最適な練習です。 そのため、トラップ技術の向上には、非常に有効な練習になります。 しかし、リフティングの回数に比例して、試合中のトラップが上達するわけではありません。 なぜなら、試合中のトラップには、ボールコントロールだけでなく、状況判断が加わるからです。 では、リフティングは、試合中のトラップに対して、どのような効果があるのでしょうか? これを知るためには、試合中にトラップするという動作を分解して考える必要があります。 では、実際に分解してみましょう。 1.ボールを持っていない時に、周りの状況を見て、どんなプレーをするのかイメージする。 2.イメージした場所へ移動し、ボールを受ける準備(動き出しのタイミング、体の向きなど)をする。 3.ボールが回ってきたら、周りの状況を確認しながらトラップし、プレーしやすい場所へボールを置く。 4.イメージしたプレーを行う。 これが試合中にトラップする一連の流れです。 この流れの中で、リフティングで養ったボール感覚が役に立つのは、どの場面だと思いますか? そう、3の場面です。 この場面では、リフティングで養ったボール感覚を発揮することで、周りの状況を確認しながら、イメージ通りの場所にトラップすることができるのです。 これが、ボール感覚が未熟な人だったら、どうなるでしょうか? おそらくボールコントロールに精一杯で、周りの状況まで気が回らないと思います。 周りの状況が分からなければ、余計あせってしまい、トラップも上手くいかないという悪循環に陥ります。 つまり、リフティングを通してボール感覚を養うことで、トラップの際、ボールコントロールに割く意識の割合を低くすることができるのです。 具体的な例を挙げますね。 人間の意識の総量を100とすると、 リフティングができる人は、ボールコントロールに30の意識を割きます。 すると、残りの70は、周りの状況を確認することに割くことができます。 これに対し、リフティングができない人は、ボールコントロールに70の意識を割きます。 すると、周りの状況を確認することに割ける意識は、30だけになってしまいます。 どちらが、正確なトラップができるかは、明らかだと思います。 ちなみに、私は、リフティングは100回もできれば十分だと考えています。 一箇所の部分で何百回、何千回も続けるよりも、足、もも、頭、胸、肩など、色々な部分で続けられるように練習した方が効果的です。 また、同じリズムで繰り返すよりも、高さを変えて、色々なリズムで行った方が効果的です。 このように、リフティングとトラップの関係性があるのは、3の場面です。 しかし、実際には、3の場面になる前に、1、2の場面があります。 残念ながら、これらの場面は、いくらリフティングを練習しても上達しません これが、リフティングの回数が、試合中のトラップの上手さに比例しない理由です。 1、2の場面で必要なのは、イメージ力と判断力です。 周りの状況を見て、自分はどこでボールを受けて、どんなプレーをするのか? ボールを受ける時、どんな体の使い方をして、どの方向にトラップすればボールを奪われず、次のプレーに移行できるのか? これを瞬時にイメージし、判断できるようになるには、実戦経験を積むしかありません。 正直な話、簡単ではありません。 この感覚が理解できず、伸び悩む初心者、中級者(特に中級者)が、なんと多いことか! しかし、場数を踏めば、誰でもこの感覚は身に付きます。 あまり難しく考えると、サッカー・フットサル自体が嫌になってしまいます。 「いずれ理解できる時が来る」と、あまり思い悩まずにプレーすることが、コツだと思います。 上達には、「自分で考え、実践する」ことが不可欠!! この情報を、自分で考える上でのヒントにしていただければ幸いです(^−^) ←前の記事に <サッカー上達法・目次>にもどる 次の記事に→