飽きない練習のための3つのポイント −第142号−

技術レベル:★★★☆☆
前回、新たな技術を身に付けるための考え方についてお送りしました。
【新たな技術を身に付ける時の勘違い】
多くの人が、レベルアップを目指して、新たな技術を身に付けようとします。
しかし、多くの人が、試合で使いこなせるようになる前に、挫折してしまいます。
なぜ、挫折してしまうのでしょうか?
今回は、その理由と、挫折しない練習の組み方について考えてみたいと思います。
前回同様、左足(利き足でない足)のキックを例にお話していきましょう。
技術というものは、練習すれば誰でも身に付きます。
左足のキックであれば、キック力は個人差があるかもしれませんが、ミートする技術は誰でも身に付きます。
それにも関わらず、なぜ、多くの人は、左足で蹴れるようにならないのでしょうか?
それは、技術が身に付く前に飽きて、練習を辞めてしまうからです。
当たり前のことですね(笑)
しかし、左足が身に付かない理由のほとんどが、これなのです。
そのまま練習し続けていたら身に付いていたのに、もったいないですよね。
ということは、左足のキックを身に付けるには、飽きないように練習メニューを組めばいいわけです。
では、飽きない練習ためには、どんな工夫をすればいいでしょうか?
考えていきましょう。
【1.練習メニューのバリエーション】
練習メニューにバリエーションを持たせることは、飽きない工夫の1つです。
例えば、1人で練習する場合、最もオーソドックスな練習は、壁に向かって左足のキックをするという練習です。
この練習だけでも、いくつかのバリエーションを作ることができます。
1.1回1回ボールをセットして蹴る。
2.壁から跳ね返って来たボールを、ワントラップで蹴り易い場所へコントロールして蹴る。
3.壁から跳ね返って来たボールを、全て左足でダイレクトで蹴る。
1→3の順で難易度が高くなっていくので、上達度合に応じて使い分けるといいでしょう。
また、左足に慣れるという意味では、リフティングも有効な練習になります。
1.左足だけでリフティング。
2.左足だけで、高さを変えてリフティング。
3.左足でフリースタイルの技を練習する。
これも、1→3の順で難易度が高くなっていきます。
他にも、「バー当て」は、練習に遊び感覚を取り入れることができます。
バー当てとは、ゴールから一定距離はなれ、キックでゴールバーに当てるという練習です。
この練習も、いくつかのバリエーションを作ることができます。
1.1回1回ボールをセットして蹴る。
2.ボールを動かして蹴る。
3.ジグザグドリブル(※)してからバー当て。
※・・・複数置いたマーカー(コーン)の間を、ドリブルでジグザグに縫っていく練習。
4.距離を変える。
ここに挙げたのは、ほんの一例です。
左足のキック(もしくは、あなたの身に付けたい技術)の練習メニューは、どんなものがあるでしょうか?
考えてみてください。
【2.練習人数】
1人で練習するものいいですが、チームメイトなど、他の人も交えた練習も並行して行っていくといいでしょう。
複数人数で練習することで、1人練習では得られないメリットがあります。
それと同時に、複数人数で練習することのデメリットもあります。
それでは、メリット、デメリットの両面について見ていきましょう。
<メリット1.練習メニューのバリエーションが増える>
練習への参加人数が増えれば、それだけ練習メニューのバリエーションを増やすことができます。
前述のように、練習メニューにバリエーションを持たせることは、飽きない工夫の1つです。
<メリット2.より実戦向きの技術が身に付く>
例えば、1人練習でキックを練習する場合、壁に向かって蹴ることになります。
しかし、練習相手が1人いれば、向かい合って蹴り合うことができます。
人に向かって蹴ることで、正確な距離感がつかめるようになります。
また、「どんなボールを蹴れば、相手が取りやすいか?」ということも感覚的に分かるようになります。
このように、1人で練習している時よりも、実戦的な技術を身に付けることができるのです。
<メリット3.他人のプレーに刺激を受ける>
複数人数で、同じ練習をすると、自分よりも上手い人、自分と同レベルの人、自分より下手な人が出てきます。
自分よりも上手い人のプレーを参考にすることで、自分のプレーのレベルアップを図ることができます。
自分と同レベルの人には、負けたくないというライバル心が芽生え、より練習に励むようになります。
自分より下手な人には、アドバイスを与えることができます。
アドバイスすることで、基本の再確認をすることができ、それが自分自身のレベルアップにつながります。
このように、他人と刺激し合うことで、1人で練習しているだけの時よりも、上達が加速します。
<デメリット1.ボールに触る回数が減る>
練習への参加人数が増えれば、その分一人当たりのボールに触る回数は減ります。
ボールを扱う技術は、ボールに触る回数に比例して伸びていきます。
技術を伸ばす目的で練習しているのに、人数が多すぎて、ボールに触る回数が減ってしまったのでは本末転倒です。
練習効率を上げるためには、練習の目的に応じて、どのくらいの人数が最適なのかを、メニューごとに考える必要があります。
<デメリット2.練習の目標がブレる>
1人で練習している時は、練習の目標はハッキリしています。
しかし、練習への参加人数が増えると、練習の目標を統一するのが難しくなります。
参加メンバーの抱えている課題は、それぞれ異なります。
また、練習に対するモチベーションも、それぞれ異なります。
こんな状態で練習しても、目標としている結果を得るのは難しいでしょう。
参加メンバーへ練習の目標を伝え、意思統一を図る、練習目標の統一をしやすい人数に調整する等の工夫が必要になります。
【3.遊び要素を取り入れる】
練習の中に遊びの要素を取り入れることも、飽きない工夫の1つです。
左足でのバー当て、左足だけのサッカーテニスなどは、楽しみながら左足に慣れることのできる練習メニューです。
今行っている練習メニューに遊びの要素を加えることはできないでしょうか?
考えてみてください。
練習とは、試合で活躍するために行うものです。
左足キックの練習の目標とは、試合で左足のキックを使うことです。
この目標を達成する方法は、1つではありません。
一人で黙々と練習することも1つの方法です。
仲間と競いながら練習することも1つの方法です。
遊びの要素を取り入れた練習で、仲間と楽しみながら練習することも1つの方法です。
どの方法を取るか、どの方法を組み合わせるかは、あなた次第です。
上達には、「自分で考え、実践する」ことが不可欠!!
この情報を、自分で考える上でのヒントにしていただければ幸いです(^−^)
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