生涯現役・親睦第一・勝敗第二のサッカー活動を通じ人生の生き甲斐を満喫する60歳以上のサッカーチームです。
スーパープレーは、どうやって生まれるのか? −第176号−
技術レベル:★★★★★ バルサには、'97‐'98シーズンから'01‐'02シーズンまで元ブラジル代表のリバウド選手が所属していました。 シャビ選手がバルサのトップチームの昇格したばかりの頃に一緒にプレーしており、色々なアドバイスを受けたり、プロとしてのあり方を学んだそうです。 リバウド選手についての記述の中に、「強い責任感を持つことの大切さを教わった」という一節がありました。 (以下、本文より引用) リバウドには生まれ持った技術以外に、強いメンタルがあった。 彼は、自分のプレーがうまくいかない場合でも、そこで精神的に折れることなく何度も挑戦する。 失敗した後に、そこから逃げるのではなく、それを挽回しようとする選手だ。 たとえば、チャンピオンズリーグの準々決勝、対チェルシー戦で彼は大事な場面でPKを外した。 その後、もう一度バルサにPKが与えられた。 リバウドは自分でボールを取り、今度はしっかり決めた。 選手によっては、この試合の重要性から来る緊張感や、失敗することを考え、他の選手にキッカーを譲ることがある。 しかし、リバウドは、こういった場面で絶対に逃げず、チーム内での自分の役割を最後まで突き詰める選手だ。 当時リバウド選手は、バルサのエース的存在でした。 エースと言うのは、周りよりも抜けた実力の持ち主です。 そのため、攻撃の中心的役割を担い、チームの戦術もエースを中心に考えられることが多くなります。 しかし、それは「わがままを言って良い」とか「怠慢なプレーをしても許される」ということではありません。 エースには、「チームを引っ張る責任」、「試合を決める仕事をする責任」があるのです。 その責任を果たすからこそ、エースでいられるのです。 リバウド選手がエースの役割に強い責任感を持っていたことを裏付けるプレーとして、シャビ選手は、バレンシア戦のオーバーヘッドキックを挙げています。 【リバウドのオーバーヘッド】http://www.youtube.com/watch?v=Kl6yZJqQ2q4 (以下、本文より引用) 2001年6月17日、当時のバルサの選手たちは、リバウドから素晴らしいレッスンを受けた。 リーガにおけるシーズン最後の対バレンシア戦。 バルサは来シーズンのチャンピオンズリーグ出場権を獲得するため、絶対に勝たなければならない状況だった。 スコアは2対2の同点で、残り時間は2分。 その時フランク・デ・ブールから中央にボールが放り込まれた。 そのボールはリバウドがシュートを打てる軌道から大きく逸れていた。 ゴールに背を向けて胸でトラップしたとしても、できることといえば、ボールを落ち着かせて味方にパスをするぐらい。 「一体どうするんだ!?」誰もがそう思っていたに違いない。 その瞬間、彼はボールを胸で上方に高くコントロールし、ペナルティエリアの外からオーバーヘッドキックの体勢に入った。 その状況で考えられる、もっとも難しいプレーにチャレンジしようとしていた。 残り時間がわずかで、もしミスをすれば、次のチャンスはないかもしれない。 チャンピオンズリーグ出場権を逃せば、そのプレーに対しメディアから批判されるかもしれない。 しかし、彼はそこで本当に選ばれし者にしかできないプレーをやってのけ、見事にゴールを決めた。 サッカー・フットサルは、足でボールを扱うのですから、ミスがつきものです。 特に、シュートやドリブル突破、スルーパスといったプレーは、ボールを失うリスクが大きくなります。 上手くいかず、ミスが続くこともあります。 そんな時、自分に与えられた役割に対する責任感が大きく関わってきます。 責任感のない人は、「もう今日はダメだ・・・」と諦めて、自分の仕事を放棄してしまうでしょう。 責任感の強い人は、リバウド選手のように、諦めずに自分の仕事を全うするためにチャレンジし続けるでしょう。 もちろん、チャレンジし続けても、その試合は上手くいかないかもしれません。 しかし、最後まで自分の責任を果たそうとする意思が、リバウド選手のようなスーパープレーを生み出すのだと思います。 これは、エースに限ったことではありません。 チームに所属してプレーしている以上、全員に役割があります。 例えば、サイドバックには、与えられたサイドを守ることが第一の役割です。 ところが、「オレは攻撃が好きだから」と、守備そっちのけで、上がったまま戻ってこなかったらどうでしょうか? 相手に空いたスペースを攻撃の起点に使われてしまうことになるでしょう。 たとえそのプレーヤーが高い攻撃力を持っていたとしても、サイドバックを任せている以上、そんなプレーをされれば、チームにとってはマイナス面の方が多くなります。 攻撃力は劣っても、責任を持ってサイドバックの役割を果たしてくれるプレーヤーの方が、勝敗を分けるような本当に大事な場面で仕事をしてくれるでしょう。 また、「自分の希望するポジションで出られない」ということもよくあります。 例えば、ボランチ希望なのに、センターバックで出場することになったというケース。 そんな時、「オレ、センターバックなんてやりたくないし・・・」とふてくされて、いい加減な守備をしていたら、これまたチームにとってマイナスにしかなりません。 多少実力が劣っても、責任を持ってセンターバックの役割を果たしてくれるプレーヤーの方が、勝敗を分けるような本当に大事な場面で仕事をしてくれるでしょう。 もちろん、役割に責任を持つのは、試合中だけではありません。 試合で役割を果たせるように、普段どんな練習をするか?普段どんな生活をするか?といったことも関わってくるのです。 自分の役割に責任感を持つことで、強いプレッシャーを感じてしまうという人もいるかもしれません。 しかし、本当に大事な場面で自分の仕事ができるのは、上手いだけのプレーヤーではなく、責任感の強いプレーヤーだと思います。 あのリバウド選手のオーバーヘッドのように・・・ 私はエースタイプのプレーヤーではありませんが、自分の役割に責任を持ってプレーしていきたいと思います。 上達には、「自分で考え、実践する」ことが不可欠!! この情報を、自分で考える上でのヒントにしていただければ幸いです(^−^) ←前の記事に <サッカー上達法・目次>にもどる 次の記事に→